2021年8月27日、テラドローンは、大阪府の令和3年度新エネルギー産業(電池関連)事業補助金 「空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験」公募に対し、三井物産、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、朝日航洋と共同で「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」を提案し、同日事業採択されたことを発表した。

 このプロジェクトでは、将来的な都市部での空飛ぶクルマを活用した輸送サービスの提供に向け、空飛ぶクルマ、ヘリコプター、ドローンなど多種多様な機体が混在している状態でも安全で効率的な飛行を実現する運航管理に必要な機能等についての実証を行い、その有効性を検証する。今年度は、大阪でヘリコプターやドローン等を活用した実証実験を実施する予定である。

プロジェクトイメージ図

 空飛ぶクルマの利活用促進のための環境整備や技術開発に向けて、2018年に政府が設置した「空の移動革命に向けた官民協議会」でロードマップが策定された。ロードマップでは、2020年代半ばの空飛ぶクルマに関する事業スタートを目標とし、各種取り組みが推進されてきた。

 大阪府は、2025年大阪・関西万博をひとつのマイルストーンとし、国の官民協議会の議論に資する具体的な提案を行うほか、さまざまなステークホルダーと連携し、社会受容性の向上を図るなど、空飛ぶクルマの実現に向けた取り組みを加速させるために、具体的で実践的な協議・活動を行う「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」を設立し、さまざまな取り組みを主導している。

 テラドローンは、大阪・関西エリアのエアモビリティ領域の取り組み加速に向けて、同プロジェクトで得られたデータや結果等を大阪ラウンドテーブルにフィードバックし、具体的な課題解決に向けた議論に貢献するとしている。

プロジェクト概要

 都市部における、空飛ぶクルマを活用した輸送サービスの提供を目指しており、国際都市で国家イベントも多い大阪で実現するには、平時から有事までのあらゆる状況下においても空飛ぶクルマ、ヘリコプター、ドローンなど多種多様な機体が混在している状態で安全かつ効率的な飛行を実現する運航管理が重要になる。
 そのため、JAXAが企業と連携して検討を進めている「多種・多様運航統合技術」をベースに、大阪・関西万博の開催期間中に平時・有事が切り替わるシナリオを想定し、空飛ぶクルマを模擬したドローンと、実際のヘリコプター、ドローンが統合運航管理プラットフォーム上で相互にデータ連携を行うことで、協調的な統合運航管理プラットフォームの有用性について検証していく。

プロジェクトとラウンドテーブルの関係図