2021年4月14日、テラドローンは、出光興産の石油タンクに対し、ドローンを活用した超音波探傷検査を実施したと発表した。

 実証実験は2021年2月2日、出光興産の千葉事業所で行われた。出光興産は最先端のデジタル技術を導入しながらオペレーション業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しており、その取り組みの中で今回の実証フィールドの提供に至った。

 実験の目的は、1)タンク内部での安定飛行の検証、2)目視検査における近傍肉厚測定や、保安検査のための肉厚値として活用可能な精度のデータ採取、3)UT(超音波探傷検査)ドローンによる測定速度・一日当たりの実施可能数の検証、の3つである。

 実験では、オランダに本社を構えるテラドローンのグループ会社Terra Inspectioneering社製のUTドローンを使用し、検査対象であるタンクの壁面検査を実施。ドローンに搭載されたブラシを使いながら腐食部分の肉厚測定も行い、精緻なデータの取得に成功した。

今回使用したUTドローン
検証実験の様子

 タンク点検にドローンを活用することで、足場設置にかかる人員コスト、時間コスト、金銭コストの削減が見込まれる。テラドローンは日本へのUTドローン導入を本格化させており、石油業界におけるDXを推進することで、石油業界の安定成長を支援していくとしている。