2021年8月23日、アイ・ロボティクスと光洋機械産業は、ウインチを利用した3D壁面作業システムと昇降式足場を組み合わせたメンテナンスソリューションを開発したと発表した。

 従来、建物改修工事などで壁面検査などの作業を行う際は、足場を組み立てて作業を行っていた。ドローンを使用しても作業は人が行う必要があり足場は不可欠であった。また、自然災害に伴う倒壊事故、落下・転落も多数起きており、機械化、遠隔化、自動化が喫緊の課題とされてきた。

 このソリューションでは、一定範囲内を上下左右に移動できるウインチ制御式壁面吸着ドローンと昇降式装置「パワーマスト」を組合せ、壁面の点検、清掃、塗装等の作業を行う。カメラや洗車ノズル、塗装ガンを搭載しており、位置情報を計測プログラムに反映して設定した場所に動かし、打音検査やタッチアップ塗装といったピンポイントアクションを自由に行うことが可能だ。

 2021年夏以降に現場への投入を順次開始。まずは高所作業への導入から始め、他のソリューションと組み合わせながら、ドローンが作業できない人口密集部での運用や重工業プラント内部への提案などを行っていく。

 またアイ・ロボティクスでは、鉄道駅の天井裏調査やプラントの炉内検査等にドローンの活用を進めており、汎用ドローン、マイクロドローン、ローバー型機体によるソリューションに壁面作業機を加えることで、フルスペックの作業を一気通貫で行える体制を整えていく、としている。

壁面吸着システム(開発現場)
作業イメージ