2021年8月2日、パワービジョンジャパンは、ドローンとインテリジェントな格納庫、クラウドを組み合わせた自律型ドローンシステム PowerVision「True Drone System」(真ドローンシステム)を発表した。

 このシステムによりドローンの飛行、巡航、データ収集を一元化し、飛べない、操縦士がいない、遠距離飛行、低効率、高コスト、持続不可能などのペインポイントを解決。電力検査、環境保護モニタリング、スマートシティ管理、地域セキュリティ、情報マッピングなど、さまざまな産業で自律飛行やデータ収集が可能になる。

 True Drone Systemは、インテリジェント格納庫「PowerVision Dock」と8Kドローン「PowerEgg X」で構成される。格納庫のサイズは570×400×250mm、総重量は15.8kgと軽量なため、一人で簡単に設置・展開することができる。AIによるドローンの離着陸、巡航、充電の自動管理を実現、操作プロセス全体を無人化している。

 このシステムは1つのポイントから半径5kmをカバーし、チェーンネットワークを介して100kmの範囲まで拡張できるため、長距離の送電線塔の点検、河川の点検、スマートシティの広域カバー、遠隔地の森林パトロールなど、さまざまなニーズに応えることができる。

 PowerVision Dockは、IP55の防塵防水構造を持ち、さまざまな環境に対応。温度制御システムにより-20~45℃の周囲温度でもシステム全体が正常に動作するようになっている。気象モニタリングシステムは周囲の温度、雨、雪、風などを継続的に測定し、それに応じて判断を下すため、あらゆる天候で安全な動作を行う。

 PowerEgg X 8Kドローンは機体の前と下にビジョンセンサーを搭載し、飛行中の環境認識、位置決め、障害物回避機能を備える。7級の強風(樹木全体がゆれ、風に向かって歩きにくい状態)にも対応する。新設計の補助ライトシステムは環境の状況を感知して、暗い環境下では離着陸の際に自動的に補助ライトを点灯させる。

 最大4800万画素の画像撮影が可能な1/2インチCMOSセンサーを搭載。8K動画の撮影が可能。バッテリーは34分間の耐久性を持つ。2.4G通信に対応。ノイズ検出と自動周波数ホッピング機構により強力な抗干渉能力を備え、フルHDのリアルタイム画像伝送をサポートする。最長の通信距離は12km(日本仕様では最長8km)。

 電力などの業界の需要に対して、True Drone SystemはRTKセンチメーターレベルの測位、太陽光発電システム、分散型通信拡張システムを提供し、高精度の測位や遠隔地への展開を実現、木や建物などによる信号の遮断といった問題を解決する。