2021年7月28日、JOGAは、茨城県つくば市内において、ドローンを用いた白鷺の追い払い検証実験を実施したことを発表した。スピーカーとレーザーをドローンに搭載し、白鷺が繁殖する雑木林に向けて音声と光を発生させて追い払いを行った。

 茨城県つくば市内の雑木林には白鷺が大量繁殖し、近隣ではフンによる悪臭、車や建物の汚れ、一晩中鳴り響く鳴き声といった被害が出ている。

 鳥獣保護法により、基本的に “罪のない” 野鳥を撃ってはならないため、巣を作っているだけの鷺は駆除が難しいという。また、白鷺の一種「チュウサギ」は準絶滅危惧種となっている。こうした状況から、駆除ではなく、追い払いを実現するソリューションが求められている。

 実証実験では、鳥類の嫌がる音の発生するスピーカーとレーザーをドローンに搭載し、白鷺が繁殖している雑木林に向けて音声と光点を発生させ、白鷺の追い払いを試みた。

実施概要

実施日1回目 2021年6月8日、2回目 2021年7月16日
実施場所茨城県つくば市
使用機材ドローン:DJI Matrice 200、スピーカー:JOGA企画開発オリジナルスピーカー
ドローン:DJI Phantom 4、レーザー:市販品

 ドローンに搭載したスピーカーから音を発生させると、特定のドローン飛行ルートと、特定のスピーカーの音が発生する際に、複数の白鷺が飛び立つ様子を確認することができた。ドローンのプロペラ音、ドローン自体の接近、スピーカー音が複合的に効果を発揮し、白鷺が退避したと考えられる。
 2回目のレーザーによる検証では、木々などに光が当たると外敵を察したかのような動きを見せることも確認した。

 同社では、本検証から白鷺の追い払いに最適なドローンの高度や飛行ルート、音量や音の種類、光の角度や光度を導き出すことができたため、ドローンとスピーカー、レーザー光機材に改良を加え、さらに効果的な白鷺対策ドローンの開発を進めるとしている。

 つくば市環境保全課は「被害を受けている近隣市民の声に応えたい中、手法に頭を抱えておりましたが、ドローンによる新たな対策措置や、検証においては興味と期待をしています。今後も情報を共有しながら是非期待しています」とコメントしている。