2021年2月1日、ジャパン・インフラ・ウェイマーク(以下JIW)は、国土交通省 国営飛鳥歴史公園事務所が管理する平城宮跡歴史公園(奈良県奈良市)において、平城宮跡歴史公園スマートチャレンジに参画し、維持管理の効率化、新技術の活用および社会実験を目的に、点検用ドローン「Skydio R2 for Japanese Inspection」(以下、J2)を用いた衆人環視下(※)での実証実験を実施したことを発表した。

公園利用者や観光客等、第三者がいる環境

自動航行の様子(黄色枠内がJ2)
点検用ドローン「Skydio R2 for Japanese Inspection」

背景

 平城宮跡歴史公園では、広大な敷地内における公園設備(構造物・ベンチ)の状態確認、草木の植生状況の把握に人手を要しており、維持管理の効率化に関する課題があった。そこで約1ヶ月間、小型ドローンを活用して自動航行により公園内の画像を取得し、点検作業の効率化に関する実証実験を行った。

実証実験 概要

期間 :2020年11月10日〜2020年12月4日(述べ18日間)
内容 :ドローンの離発着起点となるネストからドローン飛行を行い、公園内の指定した複数のポイントを自動的に航行することで公園の維持管理に必要なデータを取得する実験を約1カ月間実施。期間内には、公園利用者等の第三者がいる環境下での自動航行も行った。

実証実験 詳細

 「ドローンの離着陸起点となるネストの常設及び動作実験」「公園利用者等第三者がいる中での自動航行実験」を実証した。実験は、機器の屋外常設における要件確認/機能従属性の確認、法令・制度、運用方法、点検対象の観点から行っており、飛行ルート直下の立ち入りを制限する等の安全対策にも取り組んだ。

ネストからクレードルが出ている様子
※ネストからクレードルというドローンが離発着するための皿が伸縮し離発着を行う
J2からの撮影映像
クレードルとJ2
多くの人がいるなかで自動航行を行った(J2撮影映像)

結果と今後の取り組み

 今回の実証実験により従来の取り組みでは難しかった、人が敷地内にいるなかでのドローンの自動航行を国土交通省の管理下である平城宮跡歴史公園で実施し、安全性を確認すると共に維持管理の効率化に役立つものであったことを確認した。
 JIWは、今後、ドローンの自動航行技術を用いて様々なインフラ設備等の維持管理効率化を促進すると共に、安心安全に暮らせる社会づくりのために貢献していく、としている。