2020年11月24日、マレーシアに本社を置くドローンソリューションプロバイダーのAerodyne Group(以下エアロダイン)は、オーストラリアを拠点とするドローン測量・点検調査会社のSensorem Pty Ltd(以下Sensorem)の主要株式を取得する契約を締結したことを発表した。

 Sensoremは西オーストラリア州パースに本社を置き、最新のドローンとセンサー技術を活用した点検調査と測量サービスを、政府や地方自治体などの行政セクターや建設業、鉱業、農業などの民間セクターに提供している。

 今回の戦略的投資により、エアロダインが持つスマートドローンソリューションDT3(ドローンテック、データテック、デジタルトランスフォーメーション)のデータ分析技術を、Sensoremを通じてオーストラリア企業に提供する。これにはクラウド型アセット管理ソリューションのvertikalitiが含まれる。

 なお、Sensoremの既存経営陣は、マネージング・ディレクターのEd Boxall氏を筆頭に引き続き同社を率い、株主として事業を継続していくとしている。

関係者コメント

エアロダインCOO Rossi Jaafar氏
 「エアロダイングループは、オーストラリア経済の主要セクターにおいて強力な基盤を持っているSensoremと手を組むことに興奮しています。我々は、オーストラリア市場における弊社"vertikaliti"ソリューションに大きなチャンスがあると信じており、Ed Boxall氏と彼のチームと協力して、次の成長段階に向けて大躍進を遂げることを楽しみにしています」。

Sensorem マネージング・ディレクター Ed Boxall氏
 「ドローンを用いた測量やアセット点検、データ分析等の革新的技術発展を追い風に、近年のSensoremは持続的な成長を続けてまいりました。Sensoremの旅の新章は、ドローンベースのエンタープライズソリューションの分野で世界的なリーダーであるエアロダインとのパートナーシップとともに始まります。エアロダインのグローバルなネットワークや、業界における知名度や存在感、スケールメリットを活用し、Sensoremがお客様に革新的で差別化された価値提案を提供し続けることができるようになるでしょう」。

エアロダインジャパン代表取締役社長 伊藤英氏による注釈
 エアロダイングループの海外戦略において、オーストラリアはとても重要な市場と位置づけており、海外進出を進める中でもいち早くオフィスを開設した市場です。今まではクイーンズランド州ブリスベンを中心に、通信鉄塔点検や農業、酪農業界へサービスを提供しておりました。広大な国土をもつオーストラリアにおいては、国内の移動時間が事業成長の阻害要因となっておりました。例えばブリスベンからパースへは、飛行機の移動時間だけでも5時間以上かかります。実質一日の点検業務だったとしても、お客様には前後の移動日も含めて3日分の費用負担が発生しておりました。今回、西オーストラリア州を拠点に営業してきたSensoremがエアロダイングループ傘下に加わることで、お客様にはより利便性の高いサービスを提供できるようになります。また、Sensoremが得意としている鉱業分野における点検の知見は、オーストラリアのみならずグループ全体のさらなる躍進の一翼を担うものと考えております。パースには日本領事館もあり、多くの日本企業が進出しております。エアロダインジャパンとしては、駐オーストラリア日系企業向けに、スマート・ドローン・ソリューションの運用支援をサポートしていきたいと考えております。