ベロダイン・ライダーは、移動ロボット・アプリケーションに対応できるよう設計されたソリッドステート・ライダーセンサー「Velarray(ベラレイ)M1600」を2020年12月10日(米国カリフォルニア州)に発表した。このセンサーは新しいベラレイ製品ラインの最新製品であり、新たなMシリーズ最初の製品である。ベロダイン独自技術のマイクロライダー・アレイ・アーキテクチャー(MLA)を使用して製造され、同社の製造パートナーを活用してコスト最適化と大量生産を実現している。

 ベラレイM1600は、非接触移動ロボットやラストマイル配送ロボットが人間の介入なしで自律的で安全に動作することを可能にする。COVID-19パンデミックは、食品、医薬品、消費財、商用財でのオンライン・ショッピングと配達サービス利用を増加させた。CNBCによれば、米国の感謝祭、ブラックフライデー、サイバーマンデーといったホリデーショッピング期間は、過去のオンラインショッピングや配達サービスの利用に関するあらゆる記録を更新したが、その一因はCOVID-19パンデミックだという。Adobe Analyticsは、ホリデー期間全体でのオンライン支出額は1,840億ドルになると予想しており、これは2019年と比べて30%の増加となる。

 ベロダイン・ライダーのアナンド・ゴパラン最高経営責任者(CEO)は、次のように述べている。「ベラレイM1600ライダーセンサーは、ベロダインのイノベーション実績の最新の証明となる製品です。このセンサーは、量産型の移動ロボット・アプリケーションのために設計され、ロボットとラストマイル配送のお客さまから直接意見を取り入れています。この耐久性のある小型センサーは、幅広い環境・天候条件で展開することができ、ほぼ365日24時間の利用が可能です。自律移動ロボットが人間の介入なしで安全に長時間にわたって動作できるようにするために必要なスマートでリアルタイムな知覚データを提供できます」。

 ベラレイM1600は、30mまでの近距離認知と32°の広い縦方向視野を自律ロボットに提供し、構造性がなく変化する環境を横断することを可能にする。このセンサーにより、配達やセキュリティー用途のロボットが混雑した都市エリアや通路を安全に移動することができるようになる。また、倉庫や小売センター、産業プラント、医療施設といった環境での自律移動ロボットの運用を実現する。さらに、知覚ソリューション・パッケージを求める顧客のために、ベロダインは「Vella(ベラ)」ソフトウェアを提供している。これは、物体と危険の検知にベラレイM1600のデータを使用して、歩行者、自転車の運転者、ペットを含む道路使用者を保護するものである。

 機能的な安全性と耐久性を目指して設計されたベラレイM1600は、温度、照度、降雨量などのさまざまな厳しい環境条件下で自律移動ロボットをサポートする。小型フォームファクターのこのセンサーは外部実装に適しているだけでなく、ロボットシステム内に組み込むことも容易である。(ライダー強化ロボットの詳細について、ベロダインはホワイトペーパー「The Benefits of 3D Lidar for Autonomous Mobile Robots」を提供している。)

 また、既存のロボット・オペレーティングシステムのドライバーで、ベラレイM1600は開発者に使いやすいインターフェースを提供する。センサーの消費電力は少ないため、ロボットは1回のバッテリー充電で長時間運用することができる。条件を満たしている場合は、約6~8週間でのサンプル提供も行っている。

▼Velarray M1600
https://velodynelidar.com/products/velarray-m1600/