2020年12月4日、岡山県玉野市は、三菱商事、三菱地所、東京海上日動火災保険(以下、東京海上日動)を実施事業者、ティアフォー、アイサンテクノロジー、オプティマインドをパートナー企業として、国の「成長戦略実行計画」に基づき、低速・小型自動配送ロボットのルート最適化を利用した「遠隔監視・操作」型の公道走行実証実験を実施することを発表した。

背景

 高齢化が進展するなか、公共交通機関の減少や免許返納などによる地域の交通手段の維持が課題となっている。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い宅配需要が急増し、人手を介さない非接触型の配送ニーズが高まっており、これら社会課題の解決の糸口として、無人の低速・小型の自動配送ロボットを活用した新たな配送サービスの実現が期待されている。また、政府の「成長戦略実行計画(令和2年7月17日閣議決定)」においては、低速・小型の自動配送ロボットの社会実装に向けて「遠隔監視・操作」型の公道走行実証を年内で可能な限り早期に実現し、その結果を踏まえ制度設計の基本方針を決定するものとされている。本実証実験は、こうした政府の方針も踏まえて行うものである。

各事業者の役割

実施事業者

三菱商事 :実験全体のコーディネート、全体統括
三菱地所 :施設内におけるロボット運用、ノウハウ提供、助言
東京海上日動 :新たな保険開発、緊急時対応体制、トラブルの予防体制への助言

パートナー企業

ティアフォー :オープンソース自動運転ソフトウェア「Autoware」を活用した自動配送ロボットの開発、実証実験の実行
アイサンテクノロジー :高精度3次元地図作製
オプティマインド :ルート最適化アルゴリズムの提供

実証実験の概要

予定時期 :2020年12月4日(金)~12月11日(金)
実施エリア :玉野市役所を中心とするエリア(中央公園周辺)
内容 :玉野市役所南の実験エリアにある小売店から、周辺の住居や事業所など複数顧客に対し、医薬品・日用雑貨、クリーニング、飲食物等を配送する。任意に設定した5パターンの配送ミッション毎の注文情報を基に、ルート最適化技術を用いて配送ルートを計算し、遠隔監視により実施する。

走行予定ルート(実証実験説明資料より)

使用ロボット :LogieeS(ロージーエス)

LogieeS(実証実験説明資料より)

主な仕様

長さ×幅×高さ :1,100×750×1,050mm(フラッグを含まない。フラッグは着脱可能)
車両重量 :94kg
積載重量 :10kg
運行速度 :3km/h
運行可能時間 (満充電):1時間