2020年11月5日、日本システムウエア(以下NSW)は、新潟県佐渡市にて、自動運転・ADAS用外付制御ユニットを搭載した「クローラー型モビリティロボット」を活用した、佐渡島特産「おけさ柿」の栽培における収穫作業と、せん定作業の省力化を実現するための実証実験を同日より開始することを発表した。
全国の果樹産地では農家の高齢化が急速に進み、担い手の減少が止まらないという問題を抱えている。果樹生産の担い手育成と国産果実の安定供給を実現するため、作業の中でも労働負荷が大きい収穫作業およびせん定作業について、自動走行(作業)機能を有する運搬ロボットでの作業支援効果を検証し、果樹栽培の省力化に向けた技術体系の確立を目指す。
本実証実験では、新潟県佐渡市新穂長畝のJAファーム佐渡のほ場を実証フィールドとして利用。NSW社の自動運転・ADAS用外付制御ユニット搭載のクローラー型モビリティロボットが収穫作業者を追従走行し、収穫物・せん定枝の積載・運搬作業を行う。
本実証実験は、農林水産省の「令和2年度スマート農業実証プロジェクト」(※1)の公募において採択され、新潟県を代表機関とするコンソーシアムのプロジェクト(※2)内で実施する。また、柿生産においてスマート農業技術導入による農作業の省力化および経営改善の効果実証を行う。
※1 農業が抱える高齢化、人手不足の課題を解決するため、ロボット、AI、IoTなど先端技術を活用した「スマート農業技術」を全国各地で実証するプロジェクト。参考:令和2年度「スマート農業実証プロジェクト」の採択について(2020年3月31日)農研機構
※2 「佐渡おけさ柿スマート農業実証コンソーシアム」の「佐渡島特産『おけさ柿』大規模経営へのスマート農業技術体系の導入実証」(代表・新潟県農林水産部 農産園芸課/農業者、農業協同組合、企業、行政機関など12組織により構成)。参考:「スマート農業実証プロジェクト 令和2年度採択地区 果樹 JAファーム佐渡(新潟県佐渡市)」北陸農政局
収穫作業・せん定作業省力化の実証実験 概要
1. 目的
実証実験を通じて、労働負荷の高い果樹の収穫作業、せん定作業において、ロボットで作業支援することでの省力効果を検討する。
2. 実証実験 内容
「クローラー型モビリティロボット」を活用した収穫作業・せん定作業支援
・収穫作業時に作業者が収穫した果実を容易に積載できるよう「クローラー型モビリティロボット」が作業者に追従して走行。一定量の果実を積載すると、自律的にトラック停車場所まで運搬する。
・せん定作業時に、せん定した枝の積載と運搬を上記と同様に支援する。
・従来は作業者が人力で運搬していた作業が自動化されることにより、作業者の負担軽減と作業時間短縮の効果が期待できる。
3. 実証実験期間
2020年11月5日(木)~ 2022年3月(予定)
4. 主な実証実験メンバーと役割
名称 | 役割 |
---|---|
新潟県 農林水産部 農産園芸課 | 実証プロジェクト総括 実証事業全体のとりまとめ、進行管理 |
新潟県 農業総合研究所 園芸研究センター | 走行実証補佐 |
新潟県 佐渡地域振興局 農林水産振興部 | 収穫支援実証補佐 |
JAファーム佐渡 | 生産者 実証フィールド(ほ場)の提供 収穫支援実証補佐 |
日本システムウエア | 走行および収穫実証 |