2020年11月4日、アトラックラボは、佐賀大学、銀座農園と共同で、機械学習を活用した人認識による人追従型収穫物搬送ロボット車を開発したことを発表した。

 搬送ロボット車に装着したカメラ映像をもとに、機械学習により人の大きさを検知し、カメラと人との距離を算出、距離に応じて搬送ロボット車は人追従走行と停止を判断して自律追従する。搬送ロボット車を追従させたい人が簡単なビブスを着用するだけでよく、特殊なマーカーなどは必要はない。また、葉などが茂りカメラが人の足元まで映らない場合も、適切に人の大きさが認識できるよう機械学習を行っている。

 カメラ映像をもとに機械学習により人の大きさを検知し、距離算出と人追従走行と停止を行う制御アルゴリズムは、佐賀大学 教育研究院自然科学域理工学系の佐藤和也教授が開発、移動ロボット車に実装した。アトラックラボと銀座農園は、搬送ロボット車の開発やシステム設計などを担当。従来、搬送ロボット車が人との距離に応じて人追従走行をする場合は、LiDARやステレオカメラが必要であったが、この方式では安価な単眼カメラなどが使用できるため、コスト的にも優れているという。

 佐賀県農業試験研究センター協力のもと、同センター三瀬分場の実験圃場においてブロッコリー収穫における搬送を模擬して実験が行われ、カゴに15kgの重りを乗せた状態でも搬送ロボット車は安定して人追従走行と停止することが実証された。

カメラのみを使った人追従型収穫物搬送ロボット車

 今後コストの制限が大きい農業分野などに展開するとともに、ライン工場内での治具搬送、倉庫内での搬送補助などに応用していく、としている。