2020年10月28日、スイスのu-blox AG(以下ユーブロックス)は、9月3日にサンクトペテルブルク(ロシア)で行われた、2,198機のミニUAVが同時飛行するドローンショーに高精度技術を提供したことを発表した。10分間のショーでは、翼の長さが600mの鳩も登場し、3km離れたところからでも見ることができたという。

 ドローンの設計とプログラミング、実演を行ったGeoscan社は、精度、信頼性、性能、GLONASSとGPS双方の衛星ナビゲーション・システムの測位データにアクセスする機能をあわせ持つユーブロックスの測位技術を採用した。
 差し渡し10cmのGeoscan Saluteドローンは、編隊飛行およびドローンショー専用に設計されている。高精度で空中に配置するために必要な測位データの供給に、u-blox NEO-M8P高精度GNSSモジュールを使用。これにより、ドローン同士が衝突することなく、迅速かつ効率的な飛行が可能になった。各ドローンの位置精度の向上が実演全体と連続した形の改善につながったという。ショーの終了時には、自動的にベース・ステーションに戻ることもできる。

 Saluteドローンに使用されているNEO-M8P高精度GNSSモジュールは、リアルタイム・キネマティック(RTK)方式を実装している。RKTでは、測位衛星からブロードキャストされる信号の位相と固定のベース・ステーションで受信して再ブロードキャストされる同じ信号の位相を比較することにより、位置精度を向上させる。こうして、ドローンは相対位置をmm単位で計算し、絶対位置を目標位置の1cm以内で計算することができる。

 Geoscan社は2年前からドローンの実演をプロデュースしているが、最初は40機のドローンを同時に飛ばすというものであったという。同社のドローンショープロジェクトの責任者 Semen Lapko氏は次のように語っている。「Geoscan Saluteドローンに搭載したユーブロックスのモジュールは、ドローンの測位精度を約1cmに向上させ、打ち上げ前の準備時間の短縮に役立ちました。ドローンの飛行がより迅速かつ正確になったと同時にオペレーションも効率的になりました」。