2020年6月26日、ブルーイノベーションは五光物流と、ドローンの高精度離発着システム「BIポート」など、スマートシティ向けドローン物流ソリューションを共同で開発する業務提携契約を締結したことを発表した。両社は6月10日に第三者割当増資を内容とする資本提携も締結しており、両社は今後、より強固に連携し、イノベーションを加速する体制を構築していく、としている。

 今回の業務提携で共同開発するドローン物流ソリューションは、IoT技術で制御された「スマートシティ」の開発を見据え、域内の輸送、配送、格納、保管など住民の生活や事業を支える物流を、効率的で安全に機能させるシステムである。ブルーイノベーションが開発しているドローンの高精度離着陸システム「BIポート」の技術を軸に、シェアリング形態のドローン物流ソリューションを開発していく。今般の新型コロナウイルス感染症の流行により、リモート業務需要は一段と高まり、今後は点在化したスマートシティの出現が予想される。それらのハブとなるべく、両社でイノベーションに取り組んでいく。

 五光物流は「環境にやさしく、効率的な物流システムの開発と向上に努力し、安全で安心なサービスの提供に取り組む」を理念に、主に運送業・倉庫業に取り組む企業である。EC(電子商取引)の拡大に伴う貨物の小口多品種化に対応するため、ドローン物流の導入を検討し、産官学連携の実証実験に参画している。また、ドローンスクール運営も行っている。

 ブルーイノベーションは、昨今の労働人口減少、地球温暖化に伴う大規模自然災害の増加、インフラの老朽化といった年々増加する社会課題を解決するため、基盤プラットフォームBlue Earth Platform(BEP)を軸に、ドローンやロボットをAI、ブロックチェーンなどと組み合わせて無人化、省人化を図る技術の開発に取り組み、来たるクラウドモビリティ社会に向けて、インドアロボティクス、モビリティ連携、BIポートによるソリューションの開発、展開を進めている。

クラウドモビリティ社会を見据えたブルーイノベーションのビジネス展開

BEP(Blue Earth Platform)とは

 BEPはOne Command Full Missionをテーマとしており、複数のドローンやロボット操作を毎回複雑な設定を行うことなく、ひとつの指示で自動的に業務を達成することが可能である。ドローン、ロボット利用者が効率の高い業務を遂行できることを目的としている。https://www.blue-i.co.jp/advantage/bep/

BIポートとは

 BIポートは、産官学共同(国土交通省、東京大学 鈴木・土屋研究室、ブルーイノベーション)による、ドローンの目視外飛行において安全に自動離着陸が可能な物流用ドローンポートシステムとして開発がスタートした。GPSによる飛行と違い、画像認識により誤差なく高精度に着陸が可能である。人が立ち入っている場合や、風速が飛行に対して危険な水準である場合は、自動的に離着陸を禁止させる機能も備えている。また、携帯電話などの電波による機体との交信で、飛行計画や位置情報など様々な情報を統合し、安全な飛行を実現している。ドローンポートPCとも通信しており、風速状況や人の立入状況を運航管理システムへ伝達し、安全に離着陸することができる。本ドローンポートシステムは、複数のドローン・ロボットを統合管理するプラットフォーム「Blue Earth Platform」を基盤に開発されており、ドローンポートの様々な情報の一元管理、監視が可能である。また、荷物運搬に使用する機体、荷物、各ドローンポートの予約機能も実装されており、物流サービスに最適化されている。