2020年5月29日、DRONE FUND(以下ドローンファンド)は、Nature Architects(以下ネイチャーアーキテクツ)へ、DRONE FUND 2号(正式名称:千葉道場ドローン部 2号投資事業有限責任組合)より出資を実行したことを発表した。

 ネイチャーアーキテクツは、2017年5月に設立された、メタマテリアルを活用した革新的な設計技術「Direct Functional Modeling」(以下DFM)を開発する東大発スタートアップである。

 プロダクトを設計・製造する場合、一般的にはパーツごとに機能要件を定義し、パーツごとに設計・製造をすることが求められるが、ネイチャーアーキテクツが独自開発したDFMは、メタマテリアルをベースとした設計を行うことで、設計・製造プロセスをパーツごとに分けることなく、最終的なプロダクトをまるごとデザインすることができる。設計の圧倒的な効率化だけでなく、3Dプリンティングでの出力・製造にも対応しているため、軽量化・高剛性の実現やコストの削減、精密化・耐久性の向上などが可能となる。

「腕」の機能要件をもとにDFMが設計し、3Dプリンターで出力されたプロダクト。二の腕から指先まで、可動部を含めひとつなぎになっている。(提供:ネイチャーアーキテクツ)

 ネイチャーアーキテクツがもつ技術は、レバー、スイッチ、ファン、バネなどの小型パーツだけでなく、ロボティクスや航空宇宙分野といった未来のテクノロジー領域との親和性が非常に高く、ドローン・エアモビリティ分野もその例外ではない。ドローン・エアモビリティ分野は、現在、事業化に向けた法改正も急速に進んでいる一方で、機体開発領域における機体の設計・性能のさらなる革新も求められている。ネイチャーアーキテクツがもつ技術により、ドローンやエアモビリティの大量生産の可能性が広がるほか、機体の安全性や快適性などの向上も図ることができるという。

 ドローンファンドは、ドローン・エアモビリティの革新的な設計・製造方法を投資先企業と追求していく上で、ネイチャーアーキテクツの技術が、必要だと判断し、今回の出資を決定した。これを契機に、投資先企業の機体開発領域における連携・協業をさらに推進し、「ドローン前提社会」「エアモビリティ社会」の実現に向けた取り組みを、今後も進めていく、としている。

ネイチャーアーキテクツ 概要

商号 : Nature Architects株式会社
代表取締役 : 大嶋 泰介
所在地 : 東京都港区赤坂 8-4-7 アパートメントカーム7C
設立 : 2017年 5月
URL https://nature-architects.com