2020年2月7日、ブルーイノベーションは、静岡市(上下水道局)より依頼を受け、静岡市駿河区内の下水道管渠内部において、撮影性能・操縦性を向上させた「ELIOS2」(2019年9月リリース)を用いて、今まで作業員の進入が困難であった部分の点検作業を実施したことを発表した。

 ブルーイノベーションは、屋内狭小空間での点検作業に最適な球体型ドローン「ELIOS」(スイス Flyability社製)により、2018年6月から約1年半でプラント、発電所、大型の工事等を中心に約100現場近くの屋内施設で導入を進めてきた。

 当該箇所は、合流区域の幹線で汚泥が縦断的に堆積しており、上流部の点検孔が塞がれ換気ができないことに加え、人力による作業には硫化水素の発生も懸念されることから、内部状況の把握が課題となっていた。調査の結果、初めて内部状況の確認が実現し「ELIOS2」の安定飛行、カメラ・距離センサー等の新機能により、位置・形状も含め配管の状態を鮮明に確認、かつ埋められた人孔跡も確認できた。

下水道管渠内約70mの空間
ELIOS2が撮影した内部画像

 ブルーイノベーションでは、今後も新たな点検手法として、現場に適用して検証を進め、より効率的で安全な、ドローンによる点検ソリューション開発に取り組んでいく、としている。

作業内容と成果

日時2019年12月25日
目的人力による点検が困難な箇所を、ELIOS2で点検する。
内容ELIOS2を使い、静岡市公共下水道管渠内部を飛行
成果約70m先の最奥部にある埋められた人孔・配管の位置・状態を特定・確認でき、内空断面の計測、堆積汚泥量の推測ができた。特に「ELIOS2」のカメラ・距離センサーにより、位置・形状を鮮明に確認できることが検証できた。
地上から操縦する様子
下水道管渠内の奥へ進むELIOS2

ELIOS、ELIOS2 を活用した、屋内狭小空間の点検ソリューションについて

 ブルーイノベーションでは、2018年、Flyability SA(以下 Flyability)と業務提携し、屋内狭小空間での飛行に最適な性能を持つFlyabilityの「ELIOS」および「ELIOS2」を採用し、屋内点検分野での新たなソリューション・サービスを展開してきた。Flyability は点検分野に特化したドローン機体開発のベンチャー企業である。同社の機体は、これまで屋内で懸案のコンパスエラーがなく、パイプラインや狭小空間で安定した飛行が可能である。ブルーイノベーションでは、この機体を活用し、ボイラーやタンク、工場の高所等、狭小空間の点検を行っている。

▼ ELIOS 専用サイト https://www.blue-i.co.jp/bi-inspector/
▼ ELIOS2 専用サイト https://www.blue-i.co.jp/bi-inspector-elios2/