2020年6月17日、Livoxは、自動運転向けの高性能LiDAR「Tele-15」の出荷を開始したことを発表した。本製品は、検出距離最大1,000メートル、レーザー線数128本に相当するLiDARセンサーで、価格は税込み148,000円となっている。

検出距離のさらなる強化

 Livox Tele-15は、長距離検出用に設計されており、耐久性のある高精度システムをコンパクトな形で提供する。CESでのリリース以来、同社は製品のパフォーマンス向上とともに製造プロセスの最適化に取り組んできており、反射率が低いオブジェクトの検出範囲は、反射率が10%の対象物で320mに改善した。反射率が50%の対象物は、500mまで検出が可能である(以前は、同じ距離で80%の反射率が必要であった)。さらに、Tele-15はカスタムファームウェアのサポートより、検出距離が最大1,000mに拡大し、自動運転システムで重要な事前障害物検知に時間を使うことができる。

高い点群精度と密度

 Tele-15では、マルチラインレーザーと非反復スキャンパターンの組み合わせにより、FOV(視野角)の99.8%を100ミリ秒でカバーできるようになり、現在市場で販売されているレーザー線数128本のメカニカルLiDARセンサーよりも優れた性能を発揮するという。100ミリ秒で99.8%のFOV範囲をカバーすることで、センサーを搭載した車両は、より迅速に前方の状況を把握することが可能になる。反射率の低い黒い車の場合では、500mの距離から100ミリ秒で14点を検出。自動運転アルゴリズムの厳しい点群データの要求に応えることができる。

Tele-15点群データ FPS=10Hz「黒い服を着た歩行者」(身長184cm/体重80kg)
Tele-15点群データ FPS=10Hz「黒のSUV」(長さ4855mm/幅1925mm/高さ1720mm)

安定性と信頼性

 Tele-15は、回転のない光学コンポーネントを備えたオプトエレクトロニクスシステム設計を採用しているため、信頼性が高く、耐用年数が長くなっている。このコンポーネントは、10年間の自動車規定の寿命要件を満たし、少なくとも40,000時間のMTTF(平均故障寿命)を持っている。全体的なパフォーマンスは、自動運転レベル3/レベル4(※1)の要件を満たしている。

※1 レベル3:条件付運転自動化(システムが全ての動的運転タスクを限定領域において実行/作動継続が困難な場合は、システムの介入要求等に適切に応答)、レベル4:高度運転自動化(システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を限定領域において実行)
「官民ITS構想・ロードマップ 2019」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou9.pdf)運転自動化レベルの定義より

販売価格及び購入方法

Livox Tele-15:148,000円(税込み)

 公式オンラインストア(https://store.dji.com/product/livox-tele-15-lidar)、または同社指定の販売代理店(SB C&S、光響、トラスコ中山)において販売。

Livoxについて

 Livox Technology Company Limitedは、DJIのOpen Innovation Programから誕生、2016年に設立された独立企業である。Livoxは、従来のLiDARユニットの数分の一、または数十分の一のコストで、より良いパフォーマンスのLiDARセンサーを提供している。同社は、製品やアプリケーションへの統合を、より簡単かつ低価格に提供することで、自動運転、スマートシティ、マッピング、モバイルロボットなどの産業分野に貢献する。Livox製品は現在、カナダ、中国、EU、日本、米国を含む世界30か国以上で販売されている。https://www.livoxtech.com/jp