2020年5月15日、LiberawareとJR東日本スタートアップは、JR東日本スタートアッププログラム2019の一環として、Liberawareが開発した狭小空間特化型ドローン「IBIS(アイビス)」を活用し、設備点検における新たな手法についての実証実験を実施したことを発表した。
IBISでJR新宿駅の駅舎天井裏を撮影した後、その動画から3Dモデルを生成し、配管やケーブルなどの状況確認や計測に成功した。天井裏の状況確認業務について、ドローン活用の有用性や業務効率化の可能性を確認することができた。
今後はより精度を高めるための検証を行っていき、人が直接入れない場所(高い・狭い・危ないなど)の点検において、作業負担軽減や生産性向上につながる新たな点検手法の確立を目指す、としている。
実証実験の背景・狙い
駅舎などにおける改良工事やメンテナンスにおいては、終電から始発までの限られた時間にしか行うことができず、作業をいかに短時間に効率良く行うかが重要ポイントとして挙げられる。しかしながらこれまでの天井裏の点検は、天井面を一つずつ外しながらの作業であるため、非常に時間を要する業務の一つであり、効率化について改善を図ることが急務となっている。
実証実験項目
実際の駅庁舎(新宿駅)の天井裏を飛行させ、どのスペースまで飛行できるか、撮影した映像は点検に資するレベルのものであるかなどの検証を行った。合わせて、IBISが撮影した動画をもとに3Dモデルを生成し、これにより距離計測や図面化の作業効率化を図ることができるかについても確認した。
JR東日本スタートアッププログラムとは
ベンチャー企業などから、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、ブラッシュアップを経て実現していくプログラム。2017年度に初めて開催し、これまでに計63件の提案を採択。内閣府主催の2018年度 第1回日本オープンイノベーション大賞で経済産業大臣賞を受賞した。鉄道事業やIT事業など幅広い分野の実証実験を行い、一部の取組みは実用化している。