2020年3月27日、人工知能(AI)を利用した外見検査ソリューションの開発を手掛けるHACARUSは、屋内設備点検用小型ドローンの開発を行なうLiberawareと、屋内環境での計器の自動読み取りサービスについて共同開発を開始したことを発表した。

 現在、屋内環境での設備点検の多くは人の目視で行われており、作業には膨大な人件費と時間が投じられている。なかでもアナログ計器・デジタル計器の読み取り作業は頻繁に行われる作業でありながら、多くの企業で自動化が進んでいないという現状にある。

 これまで、スマートフォン等を使った計器の自動読み取りソリューションは存在していたが、計器の設置場所まで人が移動して撮影しなければならないという課題を抱えている。また、計器の設置数が多い、計器の設置場所までの移動に時間がかかる、計器の読み取り作業が繰り返し頻繁に行われるといった環境では、人の移動を伴わない計器の自動読み取りソリューションが望まれている。

 このような背景を受け、HACARUSとLiberawareはAIとドローンによる、屋内環境での計器の自動読み取りサービスを共同開発する。これにより、人の移動を伴わない計器の自動読み取りを実現し、作業にかかる人件費と時間の大幅な削減に貢献する。また、危険箇所へ人が移動しないことによる事故防止や安全支援にも貢献する、としている。

ドローンで撮影したデジタル計器(左)・アナログ計器(右)を、AIで自動読み取りした例
Liberawareが開発・製造する屋内設備点検用小型ドローンIBIS(アイビス)(左)。エレベーター内部を点検するIBISの様子(右)。IBISは、手動操縦型と自動巡回型の2つのラインナップがあり、本プロジェクトにおいては自動巡回型IBISをベースに開発を進めていく予定である。