2020年4月28日、ドローンパイロットエージェンシーは、北海道寿都町と特産物である寿都牡蠣の養殖の更なる質の向上に向け、ドローン等を活用し海のデータを取得し事業支援を行うことを発表した。また、牡蠣養殖を行う海男の梅津聡氏や牡蠣コンサルタントの坪井亜樹氏も参画し、データを活用しながら牡蠣の品質向上へデジタルとアナログの両面から養殖を支援する。

寿都の牡蠣について

 寿都町は北海道の西部、日本海に面した札幌市と函館市の中間に位置する水産物が豊かな町である。寿都湾には朱太川から山の栄養が注ぎ込まれ、元来日本海側では難しいとされてきた牡蠣養殖を平成6年から取り組み、養殖を成功させた。養殖された寿都の牡蠣は「寿かき」と命名され、平成10年から本格的に販売されてきた。

寿都の漁港

ドローンパイロットエージェンシーと海のデータ

 ドローンパイロットエージェンシーはドローンを活用して撮影した画像の分析や、取得したデータの分析を行い建物インフラや構造物などの劣化診断を行なっている。そのため、画像分析を行うことにより生産性の向上や課題の解決が見込まれる事業領域に取り組んできた。

 寿都町で牡蠣の養殖支援について検討した際、海中の温度上昇や潮流の状況、潮の流れによる殻の成型などドローンを活用したデータ取得に乗り出すことで、効率よくコストも抑えて現状の把握とデータ取得が可能になると見込んでいる。

データを取得するドローン

 さらにそのデータは、高級牡蠣の養殖と販売を営む海男の梅津氏、坪井氏らの知見と合わせ、牡蠣養殖のコンサルティングに活かしていく。

海男 梅津聡氏

 将来的には、定期的な海のデータを蓄積、分析して漁師の負担軽減、安定した高品質養殖の供給などに役立てていく。