2020年4月20日、イーエムアイ・ラボ(以下EMI-LAB)は、スマート農業に対応した小型無人ボートの販売を開始したことを発表した。

 農業分野における生産性や労働力の向上を目指すため、農林水産省はロボットやAI、ドローンなどのスマート農業に活用できる技術を導入していくことを提唱している。とりわけ中山間地域では、農業従事者の担い手不足が深刻な問題となっている。そこでEMI-LABでは昨年より、小・中規模農家向けの水田用の農業用無人ボートの開発を進めてきた。

 この農業用無人ボートは、水田における除草剤の散布を手軽に行えるのが特徴である。標準タイプは液剤用となっており、オプションで粒剤用、または両タイプ用に加工することも可能。

 大きさは、全長90cm×全幅70cmと小さく、本体は発泡スチロールの素材をベースに同社独自の特殊加工をしているため、ボディー本体への損傷はほぼないという。また、発泡スチロールで出来ているため非常に軽量である(機体本体重量は約10kg)。

 水田の水深は5cmから使用可能。液剤のタンクの容量は5Lで、毎分500lmを散布する。無人ボートの操縦は送信機より行い、複雑な操作項目はない。モーターはバッテリーで動くことから、走行は非常に静かである(標準バッテリーで約20分)。また、無人ボートは小回りが利き軽量で、ドローンのように墜落等の心配がないことから、安全に粒剤や液剤の散布ができる。

 販売価格は、液剤用の標準タイプで398,000円(税込)。また、チェーン除草対応のアタッチメントも制作中である。

農業用の小型無人ボート