2020年4月3日、日本水中ドローン協会は、国土交通省航空局認定管理・講習団体のドローン撮影クリエイターズ協会(以下DPCA)と、災害・捜索現場において水中ドローンを用いたプロフェッショナルな人材の育成を目的とし、加盟ならびに業務提携を締結することを発表した。また、2020年5月からDPCAが水中ドローン安全潜航操縦士認定講習を開始する。

空中ドローン × 水中ドローン

 少子高齢化の時代を迎え、労働力不足による生産性の向上を目的として、さまざまな産業にAIやIoTの導入が進められる昨今、それらの技術の社会実装を行う人材の育成も急務となっている。ドローンも例外ではなく、正しく安全かつ効率的に利活用を行うため、全国各所でドローン操縦士の講習会が開催されている。

 今回、活用環境ではなく、空中・水中ドローンの併用運用の可能性を追求することを目的に、2つの協会が業務提携を行う。

 DPCAのプロフェッショナルな人材指導方法や災害対策カリキュラムと、日本水中ドローン協会がもつ、水中環境の知見と水難救助実績をもとに、空中ドローン・水中ドローンの垣根を超えたドローン活用方針の策定と、空と海両方の環境で活躍するエキスパートの育成を目指していく。

ドローン撮影クリエイターズ協会(DPCA)とは

 空中ドローンの操縦士(フライトオペレーター)育成を目的とした、国土交通省航空局認定の管理・講習団体である。

・5,000人以上の講習修了者を輩出
・116の講習団体を管理(西日本最大、2020年4月1日時点)
・広域防災ネットワークの構築

 DPCAは人材育成だけではなく、全国の30の自治体及び官公庁と災害時運用協定を締結している。災害訓練の実績(DPCA独自の災害・捜索現場での空中ドローン活用方法、撮影・操縦技術)の蓄積によるカリキュラムを用いた講習を行なっている。

京都市との無人航空機の運用に関する協定締結式の様子

日本水中ドローン協会とは

 水中ドローン利活用による水中事業の拡充を目的として設立。ROV(遠隔操作型無人潜水機、通称:水中ドローン)のエキスパートの育成を主な活動基盤とし、協会独自の認定ライセンス「水中ドローン安全潜航操縦士講習」による、水中ドローンの安全運用とその利便性を指導している。

・水産庁との水中IoT意見交換
・海上保安庁への水中ドローン運用指導
・地方管轄消防との水中ドローン活用水難救助訓練

水難救助の場合

1. 空中ドローンよる捜索範囲の予測
2. 予測範囲を水中ドローンによる捜索と水中環境確認
3. 関係各所への初期・初動報告、画像提供

 ※二次被害の防止・捜索隊・救急隊の労力削減・安全監督

海洋インフラ点検の場合(沿岸、港湾、洋上空港、洋上風力、橋など)

1. 海洋インフラの総体点検
2. 海面上の建設物は、空中ドローンで点検・調査・確認
3. 水面下の基礎や水流は、水中ドローンで点検・調査・確認

 日本水中ドローン協会とDPCAは、双方の知見を活かすと同時に、共同事業の創造と際限ないドローンの社会実装の可能性を追求する、としている。

水中ドローン操縦体験イベント開催

 DPCAでは、5月5日に京都駅から徒歩5分の場所にて、水中ドローンの操縦体験イベントを開催予定である。

<水中ドローン 操縦体験イベント概要>

・日時 :5月5日(祝・火)
 1部 14:30~15:30(予定)
 2部 16:30~17:30(予定)

・定員 :各回10名(予定)
 ※申込先着順に受け付け。定員に達し次第受付を終了。

・内容 :はじめに参加者には座学形式にて、水中ドローンインストラクターから水中ドローンの基礎について説明を受け、その後、プールで実際に操縦を体験する。

・会場 :京都スポーツクラブ「イリアス」
 https://www.kyotoclub-ilias.net/office_info.html
 〒601-8005 京都市南区東九条西岩本町10-2

・主催 :DPCA
・後援 :日本水中ドローン協会

 ※プログラム内容は変更する場合がある。
 ※操縦体験イベントについての問い合わせは、DPCA事務局まで。