2020年3月27日、一般社団法人 日本水中ドローン協会は、現在日本国内で販売されている機種を中心に、水中ドローンの機体性能や機能、操縦性能などに関する独自の基準を設け、その基準に適合した機種を認定する「水中ドローン機種認定」を開始することを発表した。

 これにより、機体導入を行うユーザーに機種選択・導入の指標を提供するとともに、メーカーの機体開発及び市場参入の一助とすることで、水中ドローンの普及促進と水中ドローン産業の発展に寄与する。

※ 日本水中ドローン協会は、水中ドローン事業を手がける株式会社スペースワンが、2019年4月に設立。同社が事務局運営を行っている。

水中ドローンの性能

 昨年から機体性能が向上した機種が次々と市場に投入されるようになった水中ドローン。それまでの機種では行うことができなかった動きや機能を持った製品が各メーカーから発表される中、機種によってどのような性能差があるのか、水中ドローンを初めて導入しようとするユーザーや企業には、どんな機能や性能を基準に機種を選択したらいいか判断が難しい。そういったユーザーのニーズに対しても有効な指標となる認定制度が、今回の水中ドローン機種認定である。

基本性能など一定の要件を満たすものを認定

 同協会では各メーカーの機種ごとに、装備や性能(機体、コントローラー、カメラ、モニター、センサー、アプリ)などの項目について認定要件を満たしているかを確認し、基準に適合した機種に対して認定を行う。

 認定された機種には認定証および認定マークを交付し、これらのマークを製品パッケージ、カタログ、機体本体等に明示することで、協会の定める一定の性能・機能を有した機種であることを証明することができる。

【認定マーク】

 この認定制度では技術・性能の進歩を反映するため、1年に一度、認定要件の見直しを行う。これにより、時代の変化に対応した形骸化しない制度を目指す。

水中ドローンスクールの講習認定機種としても採用

 認定された機種は、日本水中ドローン協会の策定する水中ドローン操縦者の資格認定制度「水中ドローン安全潜航操縦士」の取得講習において、実技実習用機種として使用することを認め、全国の認定スクールでの導入または受講生の受講持込を可能とする。これにより、講習の受講者に対して一定の基準を満たした機種を利用した形での講習を提供できることになる。

 また、これから新しい製品を市場に投入しようとするメーカー企業においては、この認定条件を満たす機種を開発し認定を受けることで、協会の定める基本的な性能を有していることを明示した販売展開をすることが可能になるだけでなく、自社の機種が全国の認定スクールの講習用認定機種となることで、販路の拡大につなげることも可能になる。

 同協会ではこれから、メーカー企業に対する認定要件の公開や、一般ユーザーにとっての指標となる認定基準の提示などを順次行っていくとしている。