11月9日、FLIGHTSは、Skydio Japanとのパートナーシップにより、企業参加型の実証実験を開始することを発表した。専用ページにて参加企業を募集する。参加企業は、米Skydio製の自律型ドローンの性能や動作を直接確認できるほか、産業への導入における具体的なシミュレーションが可能。

 実証実験は「Skydio X2」をはじめとする米Skydio製自律型ドローンの、日本国内の各産業における有用性の検証を目的としている。参加企業は実際の現場でSkydio製ドローンを飛行させて、導入効果の検証を行うことができる。業務への有用性が認められた際には、本導入に向けてプロジェクトを共同で進める。

 募集するのは、各種インフラや設備等の3次元構造物や平面の点検、工場内や倉庫内等の非GPS環境下での点検、土木建設現場における定点観測、災害発生後の損害調査を行う企業や、自律型ドローンを用いた事業・サービスのアイデアを持つ企業。

 Skydio製のドローンは、AIとVisual SLAMを活用し、ドローン自身でルートを決定して安全に自律飛行するという特徴を持つ。設計から製造、サポート、ソフトウェア開発やプロセッサ調達までを米国内で実施しており、米国国防総省組織のプロジェクト「Blue sUAS」に採択されるなど信頼性の高い製品である。

▼Skydio実証実験 参加募集ページ(FLIGHTS)
https://skydio.flightsinc.jp/

画像出典:Skydio

Skydio X2

 産業用途のために設計されたSkydio X2は、可視光カメラと赤外線カメラを搭載。ON/OFF可能なストロボとGPSナイトフライト機能を活用することで、日夜を問わない追跡や監視も可能だ。セキュリティ強化モデル「X2E」と、追跡・監視向けモデル「X2D」の2モデル展開。

画像出典:Skydio

Skydio 2

 AIを搭載した自律飛行型の小型ドローンSkydio 2。Visual SLAMを用いて全方位の障害物を認識して回避するなど、ドローン自らが最適なルートを選択して自律飛行を行う。手動操作が難しい狭い場所や、ビルや工場などGPSを受信しづらい屋内環境での活用が期待される。

画像出典:Skydio

ドローンを操作するアプリケーション

 Skydioは、ドローンをより効果的に使用するためのさまざまなアプリケーションを用意しており、状況や目的に応じて使い分けることができる。

AEF(Skydio Autonomy Enterprise Foundation)

 AIを活用して状況認識性能を最大限発揮するアプリケーション。構造物の細かな部分まで撮影できるよう接近する「近接障害物回避」、ジンバル直上の画像をキャプチャできる「垂直ビュー」、非LTE環境下で飛行可能な「オフラインマップ」をはじめ、さまざまな機能を搭載している。機能を組み合わせることで、さまざまなミッションに対応する。

3D Scan

 超高解像度の3Dモデル生成を自動化するアプリケーション。橋梁や建物の壁面、インフラ建造物などの複雑な構造を簡単に点検できるよう設計されている。

 点検範囲、点検対象物と機体の距離、ラップ率(写真の重なり)を指定すると、ドローン自身がカメラや機体の角度、向きを調整し、障害物を避けながら自律的に飛行と撮影を実行する。データ取得スピードが最大75%速くなる。

 点検のほか、デジタルツインの作成や、事故現場など一時的な現場状態の記録や復元への活用も期待される。