本番ステージ前に待機するAEROBO onAirの機体

 エアロセンスの有線ドローンシステム「AEROBO onAir(エアロボオンエアー)」が、2020年7月24日に生放送されたテレビ朝日の音楽番組「ミュージックステーション」3時間半スペシャルにおいて、ゲストの生演奏と花火中継に使用された。

 同社が開発・製造しているAEROBO onAirは、完全自律飛行ドローン「AEROBO(エアロボ)」の新シリーズで、2019年3月に販売を開始。独自開発の複合ケーブルにより、安定した長時間飛行や映像のリアルタイム伝送が可能となっている。

AEROBO onAirの特徴

・無線の混信やバッテリー残量を気にせず撮影が可能
・撮影時の鮮明な映像クオリティー
・リアルタイム伝送

1. 有線複合ケーブルで安定した飛行と長時間の撮影が可能

 無線の混線が起きやすいテレビ中継現場では、万が一通信の混信が発生した場合、ドローン機体の操縦制御が正常に行えなくなる恐れがある。AEROBO onAirでは、独自開発の有線複合ケーブルの通信制御によりドローン本体やカメラの操作を行うため、無線通信外乱の心配がなく撮影に集中できる。

 また、この複合ケーブルによって有線給電も行うため、バッテリー残量を気にせず連続撮影が可能。この撮影日には、対象となる複数曲の始まりから終わりまで機体を降ろすことなく飛行撮影を行った。

2. 有線通信・光伝送による鮮明な映像クオリティー

 通常のドローンは無線通信のため、選べる画質や伝送できる画質に制限がある。AEROBO onAirでは有線複合ケーブルで通信と光ファイバー伝送を行うため、カメラ性能を活かし映像をリアルタイムに調整することが可能で、撮影した高画質な画像をそのまま伝送できる。例えば、画質は4KとHDを選んだり、周囲の環境にあわせその場でアイリスやシャッタースピードを調整したりできる。このためテレビ中継でも、撮影時の鮮明な映像表現が可能である。

3. 低遅延な光ファイバー伝送で時間差なく映像を届けることが可能

 生中継では、シーンの切り替え時に生じるカメラ間の時間差など、従来のドローンにおける無線通信による映像遅延が問題になる。AEROBO onAirでは、光ファイバーで非圧縮低遅延の映像伝送を実現しているため、リアルタイムに配信が可能。

ミュージックステーション公式Twitter
ドローン離発着場所。やぐらの間・ステージ正面で飛行を行った(左:全体図、右:拡大図)

 エアロセンスは、今後もAEROBO onAirによって放送分野に貢献していくと共に、警備や点検分野でも生産性向上に貢献していく、としている。