2020年9月18日、ブルーイノベーションは、doks. innovation GmbH(本社:ドイツ、以下doks)と業務提携契約を締結したことを発表した。doksが提供するドローンとAGV(Automated Guided Vehicle)を有線で繋いだ自動稼働・充電可能な「inventAIRy XL」と、ブルーイノベーションが提供するドローン・AGV・ロボットなどを複数遠隔制御するシステム「BEP:Blue Earth Platform」が連携することで、倉庫内完全自動棚卸ソリューションを実現。12月よりサービス提供する。

提携の背景と狙い

 物流業界は、市場規模は順調に拡大しているものの慢性的な人手不足に悩まされており、小口配送化により従業員の負担は増大している。こういった課題をデジタルトランスフォーメーション(DX)により、AI活用、自動運転、ドローン等で解消する取り組みが検討されており、倉庫内物流においても、在庫管理をドローン・ロボットなどでオートメーション化するニーズが高まっている。

 そうした状況下、ブルーイノベーションは、自社のBEPを軸にドローン、AGVを活用し、棚卸の効率化、運搬の効率化、ロボット連携による完全自動化の3段階で開発を進めている。現在、第一段階の棚卸の効率化に取り組んでいるが、ドローンでは飛行時間の制約がある、AGVでは高い棚を見れない、といった課題があった。

 これらの課題に対して、doks社のinventAIRy XLは、ドローンとAGVを有線で繋ぐことで5時間のドローン稼働(有線給電)と、高所へも自在に行けるダブルメリットを実現した。さらに、BEPとinventAIRy XLを連携させることで、他の作業工程も含めた統合管理が可能となり、倉庫内の完全自動棚卸ソリューションが提供できる。毎日、業務終了後に全自動で在庫棚卸を行い、翌朝の出勤時には状況が一目で確認できるソリューションである。

倉庫内在庫管理ソリューションの特長

1. 有線給電ドローン+AGVによる完全自動運転

 ドローンはテザー(ワイヤー)でAGVに接続され、AGVから有線給電される。飛行しない時はAGVに乗って移動する。AGVは倉庫内を自動的に移動し、充電時はステーションにて自動充電される。

充電用ステーション

2. 最長5時間の稼働が可能、営業時間外での棚卸も実現

 設定時間になるとシステムが自動的に起動し、AGVは在庫確認が必要な通路に移動、ドローンが離陸してカメラで商品のコードを読み取る。システムは順番に指定した通路に移動して棚卸を実施する。

3. 在庫確認結果は情報処理に手間をかけることなく閲覧可能

 複雑なソフトウェア処理は自動で行われ、業務終了後に自動で在庫確認作業を行い、在庫確認の結果を閲覧できる。また、ERPやWMSシステムへのエクスポート、他のソフトウェアへのカスタマイズも可能。

在庫確認結果の画面

仕様

doks CEO兼共同創業者Benjamin Federmann氏のコメント

 doks innovationは2017年に設立、3名でスタートしました。物流倉庫内在庫管理のオートメーション化、デジタル化に向けたソリューション開発に取り組んでいます。これまでの2年半で欧州において、大手物流企業をはじめとする70社以上の顧客に倉庫内在庫管理ソリューションを提供してきました。

 ブルーイノベーションは、同じ欧州のFlyability社との提携で、日本において多くの屋内点検ドローンの導入実績を挙げ、ドローンの業界団体JUIDA(日本UAS産業振興協議会)の事務局を運営することを通じて多くのドローンスクール設立に貢献し、日本のドローン業界に精通し、豊富な実務ノウハウを備えています。また、ブルーイノベーションのBEPは、アドオンによりソリューションの拡張性が期待できます。このため我々は、ブルーイノベーションを日本でのパートナーに選びました。

 日本のお客様に、5時間稼働、完全自動在庫管理を実現する「inventAIRy XL」をいち早く知って頂き、ブルーイノベーションとの連携で、できるだけ多くのユーザーに導入頂きたいと考えています。

inventAIRy® XL - Die Revolution der automatisierten Bestanderfassung(doks. innovation)