2019年11月11日、エアロセンスは、GNSS測位機能付き対空標識「エアロボマーカー」用のiOS専用アプリ「マーカーナビ」をリリースした。

 iPhone、iPadから近くのエアロボマーカーを自動で検出して無線通信接続を行う。GPS電波の受信情報を読み出し独自の判定基準で計測の良否を判定するので、ユーザーはエアロボマーカーの設置場所を安心して選定できるようになる。計測後はマーカーナビが無線経由で計測ログを読み出し、そのままエアロボクラウドにデータをアップロード・解析を開始できるので、ユーザーは現場にて解析結果の確認が可能である。

特徴

1. 現場にて受信電波状態をリアルタイムに確認
2. マーカー位置の地図表示
3. 無線LAN経由での計測ログ読み出し、エアロボクラウドへのアップロード

現場にて受信電波状態をリアルタイムに確認

電波環境の良い場所にマーカーを設置可能

 エアロボマーカーは、スタティック測位という後処理測位方式を採用しているため、設置環境や、GPS衛星配置など外的要因により、設置場所において質の良いGPS衛星電波が取れていなかった場合、高精度位置測位を諦めざるを得ないという課題があった。

 マーカーナビは、エアロボマーカーに近づくと自動でBluetooth LE接続し、GPS受信電波状態を取得する。高精度位置測位のために必要な電波環境良否をアプリ独自の基準により3段階で判定するため、観測地点の電波状況の良否をマーカー設置時に判断できる(図1)。その他、単独測位位置、受信した衛星数、衛星ごとの受信電波強度、衛星配置指標(DOP値)など高精度測位に関係する諸計測値を一覧表示するので、ユーザー自らの判断で、設置場所電波環境のより詳細な検討が可能となる(図2)。

図1. GPS電波状態表示/図2. GPS電波状態の詳細表示

マーカー位置の地図表示

広い現場でも確実にマーカーを発見可能

 受信した衛星情報から、エアロボマーカーの現在位置(簡易位置)を自動で地図上に表示する。1度表示されたマーカーは、ユーザー操作で削除しない限り地図上に残り続けるので、設置完了後、現在位置からBluetooth LE通信の届かない場所に置かれたマーカーを含むすべてのマーカーを地図上で確認することができる。表示中のマーカーについては、計測経過時間(アプリ側で計測経過時間をカウント)も確認できる。

 地図はオフラインにも対応しているため、携帯電波の届かない環境においても利用できる。

図3. マーカー位置の地図表示

無線LAN経由での計測ログ読み出し、エアロボクラウドへのアップロード

PCレスで簡単にログを取得・測位結果まで確認可能

 マーカーナビは、エアロボマーカーから無線LAN経由でログを取得する。アプリ標準の通信モードBluetooth LEから無線LANへの切り替えは自動で行われる。複数のマーカーについて一括で読み出すこともできるため、現場で簡単にログの読み出し、ログの存在有無を確認できる。

 また、読み出したログは、アプリから直接エアロボクラウドにアップロードすることができるので、モバイル端末上で計測後すぐに解析処理を実行し、測位精度を確認することができ、再測が必要かどうかの判断が現場で可能となる。

図4. 無線によるログ取得/図5. エアロボクラウドへのログアップロード

▼「マーカーナビ」紹介ページ
 https://www.aerosense.co.jp/aerobomarkernavi

 エアロボマーカーは、2017年発売以来、小型軽量で誰でも簡単に操作できるUAV測量用、基準点測量用GNSS測量機器として、土木、測量現場で使われてきた。エアロボマーカー用モバイルアプリ「マーカーナビ」により、既存のワークフローがさらに簡単に効率化される。

 同アプリは、App Storeで配信中である。

※アプリの利用には、エアロボクラウドサービスへの登録と、エアロボマーカー(ファームウェアver2.1.0以降)が必要。
※対応端末は、iPhone6以上、iPad第3世代以降の全機種。対応OSは、iOS12.0以降。

エアロボマーカー

 エアロボマーカーとは、同社が開発したGPS測位機能を搭載したドローン測量専用の対空標識。エアロボマーカーで観測したGPSログをエアロボクラウドにアップロードするだけで、マーカー位置の高精度測位を実現し、さらに空撮画像と合わせることで、高精度3Dモデルを全自動で作成することができる。NETIS(新技術情報提供システム)登録技術。また、エアロボクラウドと連携した一連のシステムは、2018年度グッドデザイン賞を受賞。

▼エアロボマーカー:https://www.aerosense.co.jp/marker2

エアロボクラウド

 エアロボクラウドとは、ドローンでの測量や点検といった業務をサポートするためのクラウドサービス。大量の撮影データやフライトの管理、点群や3Dメッシュを作成する写真測量処理、また網計算などの基準点測量に必要とされる一連の処理がブラウザだけで簡単に高速に実現できる。

▼エアロボクラウド:https://www.aerosense.co.jp/aerobocloud