2019年11月5日、センシンロボティクスは、ドローンの自動航行プラットフォーム『SENSYN FLIGHT CORE』に、鉄塔や煙突など塔状の建造物の自動航行が容易に行える機能(タワースキャン機能)を追加したことを発表した。
今回のアップデートでは、塔状の建造物の点検飛行ルートを自動的に作成できる機能を追加実装した。対象建造物の位置、高さ、大きさを入力するだけで、通信鉄塔や煙突などの建造物を対象にした点検飛行ルートを簡単に設定できるようになった。生成されたルートに対して、上下動の動きを繰り返しながら構造物全体をくまなくスキャンする飛行を行う。また、自動航行ルートの確認をするプレフライト機能を新たに実装。本番で実行する飛行ルートのリハーサルをすることで、ユーザー側で安全性の検証を行う事が可能となる。これにより、ユーザーはドローンによる建造物の点検業務を格段に効率化する事ができるという。
従来、通信鉄塔点検などでドローンを活用する際には、一つ一つのウェイポイントをマニュアルで設定していく膨大な作業が必要だった。特に10m級以上の構造物を対象にドローン点検を実施する際には、カメラアングル・ドローン機体の向き・飛行高度などを考慮しながら数十点ものウェイポイントを人手でプロットする作業が必須であり、ルート作成にかかる手間が現場でのドローン点検普及を妨げる要因の一つでもあった。今回開発したタワースキャン機能では手作業による余計な工数をかける事なく、点検飛行ルートを生成する事ができるため、簡単にドローン点検業務を始める事が可能である。
『SENSYN FLIGHT CORE』は、これまでにも壁面スキャン機能の追加や3Dマップ対応など、顧客の業務自動化を目指すために必要な機能のアップデートを行ってきた。センシンロボティクスは、これからもドローン活用業務の完全自動化を実現するためのアップデートを続けていく、としている。
SENSYN FLIGHT COREについて
『SENSYN FLIGHT CORE』とは、特別な知識や技術がなくてもドローンによる業務自動化を簡単に実現させる総合プラットフォームである。簡単なフライト設定を行えるだけでなく、フライトプラン・実績データの一元管理、複数機での同時飛行や様々なメーカーのドローンへの対応、UTM*への接続など、業務の自動化に不可欠な充実した拡張機能を備えている。
*UTM 無人航空機管制。Unmanned Aerial System Traffic Managementの略。