イームズロボティクスは、2026年9月30日~10月2日に東京ビッグサイトで開催された「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2026」で、可動式補助翼「ActiveWing」を搭載した開発中の長距離輸送ドローンを展示した。マルチコプターの操作性を生かしながら航続距離を延ばし、平時の地域物流や災害時の物資輸送への活用を目指す。
補助翼の揚力でプロペラの推力を補い、長距離飛行を目指す
機体の特徴は、アーム部分に備えた可動式の補助翼だ。ActiveWingは、補助翼を機体とは独立して動かし、空力特性を最適化する構造技術。飛行中に補助翼が生み出す揚力でプロペラの推力を補い、エネルギー効率の向上と航続距離の延伸を図る。姿勢制御に必要なプロペラ回転数を維持し、効率性と安定性の両立を目指す仕組みとなっている。
公表されている飛行距離は、10kgの貨物を搭載した場合で20km、貨物を搭載しない場合で45km。いずれも巡航速度15m/s時の仕様値だ。取材時にも航続距離は参考値として説明されており、個々の運航条件で保証される距離とは区別する必要がある。
研究開発はイームズロボティクスとエアロネクストが共同で進めている。イームズロボティクスの発表によれば、JST(科学技術振興機構)の委託研究成果をもとに開発した機体で、試作機の製作はカーボン部品の製造を得意とするトピアが担当した。
折り畳み構造とLTE通信で現場への展開を見据える
公表寸法は前後2,807mm、左右3,203mmで、バッテリーを含む機体重量は26kg。アームを折り畳むと前後1,200mm、左右1,615mmとなる。大型の機体ながら、車両に積載して現場へ搬送する運用を考慮した設計だ。
LTE通信による広域制御とリアルタイムの状況把握にも対応する。道路網が分断された孤立地域への支援物資輸送に加え、災害現場の情報収集などへの活用も見据えている。
イームズロボティクスは、2024年の能登半島地震でも被災地に機体を持ち込み、輪島市や珠洲市を中心に海岸や港湾の被害状況を調査した実績がある。災害対応におけるドローンの役割を、情報収集から物資輸送へ広げる取り組みとしても注目される。
飛行性能の検証から、貨物を搭載した実証へ
取材時点では、試作機を使った飛行性能の検証を進めている段階で、実際の配送運用に入っているわけではない。同社は2026年度内に、貨物を搭載した実証実験を行いたい考えだ。
長距離を飛べる性能を、貨物の輸送を伴う実証でどのように確認していくか。平時の物流と災害時の支援の双方で使える機体として、今後の検証が注目される。
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