1月6日から9日の期間、米ラスベガスで国際テックイベント「CES 2026」が開催された。CES 2026には、日本で水中ドローンの販売を手掛けるスペースワンが出展し、現在開発中の水中ドローンショー用の機体「ARIVIA」を展示した。

空から水上へ広がるドローンショーの表現領域

 立体的に文字やアニメーションを夜空に描き出すドローンショーは、花火大会をはじめとするイベント等で実施され、2025年に開催された大阪・関西万博でも大きな話題を呼んだ。国内では、アニメやブランドなどとのコラボレーションも相まって人気を博し、ドローン業界にドローンショーという新たな市場が誕生したといえる。

 このように、日本で定着し始めたドローンショーであるが、近年は水上で光や音を融合した“水上ドローンショー”も実現しており、愛知県蒲郡市のテーマパーク「ラグナシア」で開催された実績もある。水中ドローンを取り扱うスペースワンは、次世代の水上ドローンとして「ARIVIA」を開発し、CES 2026でプロトタイプを初公開した。

写真:ARIVIAなどが展示されたスペースワンの展示ブース
スペースワンは、日本のスタートアップ企業で構成されたCES 2026のJAPAN TECHエリアでARIVIAを展示した。
(写真提供:株式会社スペースワン)

水中ドローンのスラスター技術を応用した新たな発想

 ARIVIAは、4つのスラスターを備えた台座の上部に球体のLEDを搭載し、水に浮かぶライトのような外観を持つ。台座部分に備えたスラスターによって、水中ドローンのように柔軟な水中移動を可能にする構造となっている。本体にはカメラとスピーカーに加え、水を噴出する装置を搭載し、ドローンショーでの演出用機能を備えた。機体の制御には、GPSや各種センサーを採用し、自動航行のほか、スマートフォンやパソコンによるインタラクティブな操作にも対応している。複数機を同期することで群制御を実現し、光や音、さらには噴水による演出に加え、水中ドローンの制御機能を融合した点が特徴だ。CES 2026では、ARIVIAの高い品質と多機能性が評価され、優れた製品に贈られる「CES Innovation Awards」を受賞した。

写真:ARIVIA
「CES Innovation Awards」は計452製品が受賞し、ARIVIAも選出された。愛らしいフォルムが印象的だ。

 ARIVIAの本体は安定性が高く、波の無いプールだけでなく、海や港といった自然環境での利用も想定されている。今後の開発予定として、スモークや香りを放出する機能の追加も計画しており、視覚だけでなく五感で楽しめる新たな体験の創出を目指している。

 スペースワンは、CES 2025でARIVIAの試作品となる水上ドローン「ARIEL」を公開したところ、想定を上回る反響が寄せられ、ARIVIAの本格的な開発をスタートしたという。現在は実証実験に取り組みながら開発を進めている段階で、詳細な仕様は未公表としているが、IP68に対応した防水設計に耐久性の高いモジュール構造を採用し、水上運用を前提とした設計となっている。また、いくつかのバリエーションをラインナップに加えることを計画しているという。

 CES 2026の会期前に開催されたプレス向けイベントにもARIVIAは出展され、多くの海外メディアから高い関心を集めていた。スペースワンの小林代表に反響を聞くと、「専門的な設備を必要とせず、どこでも手軽に水上ドローンショーを実現できる点に関心が集まっています。実際にARIVIAを使ってみたいという声も多く、同展示会での出展が具体的な商談につながりました」と手応えを語った。

写真:台の上に展示されたARIVIAやパンフレットなど
プレス向けイベントの様子。

 ARIVIAはドローンショーのほかにも水中ドローンのように、水生生態系を観測するデバイスとしての利用も視野に入れているという。カメラや各種センサーで取得したデータを、Wi-Fiなどの通信機能を通じてクラウドに蓄積・分析する構想だ。さらに、水上監視やセキュリティ用途、船舶やボートの航行ルート案内など、アイデア次第で多様な活用が期待される。

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