2026年2月2日、古野電気は、兵庫県土木部が管理するダムにおいて、深浅測量向けマルチビームソナー搭載水上ドローンボート「FBUSV-1(エフバスブイワン)」による堆砂量計測の効率化および3Dマップ化を目的とした実証実験を実施したと発表した。

写真:ダムに浮かぶ水上ドローンボート「FBUSV-1」
実証実験の様子(青野ダム:兵庫県三田市加茂上平山1221、計測面積:約40ha)

 兵庫県土木部は県内21のダムを管理し、1~2年に一度、堆砂測量を実施している。現状ではシングルビームソナーやおもりを用いて測量を行い、平均断面法により堆砂量を算出している。近年は作業の省力化やコスト削減、より正確な形状把握に加えて、計測方法のDX化が課題となっていた。

 2025年11月6日に行った実証実験では、過去の計測測線(100m間隔)に沿ってダムを横断する形で計測を実施した。今回使用したマルチビームソナーは測定範囲が広く、少ない側線数でダム全域をカバーし、より正確に堆砂形状の実態を把握できる。

 実証実験の結果、計測前後の準備・撤去作業の工数も大幅に削減。計測中は測線に沿って自動航行を行うことで、艇体を操船することなく正確に計測できた。

ダムの計測データ
計測当日の速報値データ

【従来計測方法との比較】

シングルビームマルチビームソナー(FBUSV-1)
準備・撤収時間2.5時間0.5時間
計測時間3時間2時間
計測精度2D計測のため精細計測は不可3D計測のため高精細(1本のビームのシングルに対しマルチは複数本ビーム)

※シングルビームの所要時間は2024年度計測データより算出

使用機器

深浅測量向けマルチビームソナー搭載水上ドローンボート「FBUSV-1」

水に浮かぶ水上ドローンボート「FBUSV-1」

 古野電気が現在開発を進めている小型水上ドローンボートに、マルチビームソナーを搭載した深浅測量向けプロトタイプモデル。エントリーモデル、小型・軽量(約25kg)をコンセプトに設計しており、従来の測量方法に代わる新技術として、国土交通省の新技術情報提供システムNETISへの登録申請を進めている。今後、ダム以外にもため池や河川、湾岸など多様な場面での活用が期待される。

【特長】

  • 必要な機器・ソフトウェアが揃ったオールインワンパッケージ。現場での計測・調査負担を軽減する簡易システムにより、最小限の知識で導入が可能。堆砂量計測向けに機能および精度を手引き(※1)に基づき見直すことでコストを抑えた。
  • 宅配便での発送も可能なコンパクトな設計で、最少2人で作業が可能(他手法の場合は3~5人)。有人船が入れない浅瀬でもデータ収録が可能。
  • 船体・センサー・ソフトウェアまで一括設計、専用窓口によるサポートを提供。
  • CADフォーマット(DXF、TIN)での出力に対応。

※1 国土交通省「ダム貯水池土砂管理の手引き(案)」
https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/dam7/pdf/damtyosuichidosyakanritebikiH30.pdf

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