6月3日から3日間にわたって千葉県千葉市の幕張メッセで開催された「第11回Japan Drone 2026」。毎年この時期に開催されている“日本のドローンの祭典”だが、今年のJapan Droneでは近年の国際情勢の変化を受けて、海外のドローン関連企業のブースが目立った。特に今回はウクライナから軍事用ドローンメーカーであるGeneral Cherry社がブースを構えたほか、台湾のドローン関連企業の多くが、攻撃用ドローンなどやはり軍事用ドローンを展示。その一方で、ベトナム企業などは民生用ドローンを日本市場に訴求するなど、出展国によるスタンスの違いが見られた。
海外企業の出展が拡大、各国で異なるドローン戦略を展示
昨年までのJapan Droneにおいても、海外のドローンメーカーやコンポーネントサプライヤーの出展が見られたが、今年はウクライナの軍事ドローンメーカーであるGeneral Cherry社が出展していたほか、2025年10月に発足したLow Altitude Economy Partnership(LAEP)に加盟するベトナム企業4社が「ベトナムパビリオン」として出展。また、台湾は「Taiwan Defense Industry Development Association(TW DIDA)」としてドローン関連企業が出展していた。
ウクライナのGeneral Cherryは2022年にロシアによる軍事侵攻を受けて創業したドローンメーカーだ。侵攻当初、ゲリラ的な攻撃を行うFPVドローンを手がけることから始まり、今では高い撃墜率を誇る迎撃用ドローンなどを生産している。Japan Drone開催前に、同社の共同創業者が一般紙のインタビューに応じ、Japan Droneに合わせて来日することが報じられていたこともあり、同社のブースは多くの来場者の関心を集めていた。
また、TW DIDAブースでは日本でも早くからドローンポートなどの製品が利用されているCIRCや、重量物運搬用ドローンを手がける7A Dronesといった民生用ドローンメーカーのほか、Thunder TigerやHsuan Yuan Tech、INSANIXといった、おもに軍事用ドローンを手がける企業が出展。Thunder Tigerは爆薬を搭載した攻撃用、要撃用、偵察用といった用途のドローンを展示。INSANIXは光ファイバーによる通信システムを搭載した攻撃用ドローンを展示する等、現在の台湾が置かれた情勢を受けて開発されたドローンを展示。最近、日本でも防衛省がドローンの導入をすすめているが、こうしたニーズを受けてのことと見られる。
CIRCの担当者は「来場者からは『これは(コンポーネント)すべてが台湾製か? 中国製の部品は含まれていないか?』と聞かれることが多い」といい、「CIRCの製品は認証制度を踏まえてバッテリーなども含め、すべて台湾製」と説明していた。
一方、ベトナムパビリオンのブースでは、HTI UAS、Hypmotion、Gremsy、FPT UAVの4社が出展。Gremsyはジンバルカメラを、FPTは大型の運搬用ドローンを、Hypmotionはおもに点検や警備用途を見据えた小型ドローンを、HTI UASはVTOL型ドローンを展示。いずれもおもに民生用途を見込んだ製品であり、「フライトコントローラーはベトナム製であり、多くの部品が非中国製となっている」(説明員)といい、Japan Droneでの展示を足がかりに「日本やアメリカを通じて世界に販売していきたい」(説明員)としている。また、ベトナムパリビリオンでは会期初日に、GremsyとHTI UASが次世代UAVソリューションの研究開発と商業化を促進するための戦略的協力協定を締結している。
