2026年6月3日から5日にかけて、「Japan Drone 2026」が開催された。屋内点検向けの小型国産ドローンを提供するリベラウェアは、創業から10年の節目を迎え、主力製品である小型ドローン「IBIS2」と歩んできた10年を振り返りながら、屋内点検分野におけるドローン活用の広がりを紹介した。

写真:展示された「IBIS2」
屋内点検向けに開発された小型ドローン「IBIS2」。
写真:飛行する「IBIS2 Assist」
2025年3月には、「IBIS2 Assist」をリリース。センサー類によって、上下4m以内に障害物がある環境において一定の高度を簡単に維持することが可能になった。扱いが難しいというユーザーの要望に応えた形だ。
写真:でも飛行に集まる観客
デモフライトには多くの人が集まり、関心を寄せていた。

屋内点検ドローンの10年、ユーザーとともに進化した「IBIS2」

 リベラウェアは2016年に創業し、GPSが利用できない屋内の狭小・閉鎖空間における点検を目的とした小型ドローンの開発に注力してきた。機体フレームやフライトコントローラー、モーター、プロペラ、バッテリーまで主要コンポーネントを自社開発し、“国産”を強みにインフラ点検や設備調査など幅広い分野へ展開している。また、これまでユーザーの声をくみ取りながら機体の改良を重ねることで、ユーザーの要望に寄り添ったドローンを常に提供してきている。

 同社及び屋内点検用ドローンが広く注目を集めたのは、2025年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故だった。事故は、硫化水素によって腐食した下水道管からの漏水が原因で道路が陥没し、走行中のトラックのキャビンが転落、運転手が行方不明となったものだ。

 この捜索活動では、IBIS2を下水道管内へ投入して約600mの飛行を行い、トラックのキャビンの位置を確認することに成功した。人が立ち入ることが困難な閉鎖空間での調査を実現したこの事例は、全国的に課題となっている下水道をはじめとするインフラ老朽化への対応において、小型ドローンが有効な調査手段となる可能性を示した。

原発・鉄道・橋梁へ広がる活用、次世代インフラ点検を見据える

 今回の展示では、ブース床面に設けられた足跡状のガイドに沿って進むことで、創業から現在までの取り組みを時系列でたどれる演出を採用。福島第一原子力発電所での内部調査や、八潮市の道路陥没事故を受けて全国で実施された下水道管の緊急重点調査など、小型ドローンの活用領域が広がってきた経緯を紹介していた。

 さらに将来構想として、2028年頃の実用化を目標とする「Project SPARROW」も紹介した。同プロジェクトは、リベラウェアとJR東日本の合弁会社「CalTa」、KDDIスマートドローンの3社が、JR4社および西武鉄道と連携して進めている取り組みだ。

 鉄道インフラの老朽化対策を目的に、巡視や各種点検、災害発生時の設備確認などを自律飛行ドローンが担い、その取得データをデジタルツインプラットフォーム上で閲覧・分析できるシステムの構築を目指している。このほか、高速道路の橋梁点検や、レーザースキャナーを組み合わせた建物調査など、現在実用化されている活用事例も映像を交えながら紹介した。担当者は「関係者にも屋内空間でドローンを活用するという認知が少しずつ広がってきていると感じています」と話し、屋内点検分野における市場の拡大に期待を示した。

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