11月26日、27日の期間、大阪府にて「第2回 Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2025 in 関西」が開催された。同展示会では、国内外の多様な企業が出展し、ドローンを軸とした最先端技術が紹介された。そのひとつが建築・エンジニアリングを専門とし、イタリアに本社を置くTAKE OVER Integrated Surveyingであり、2025年から本格的に日本市場への進出を目指している。
ドローンを活用した高度な空間測量やインフラ点検の取り組みを紹介し、日本の来場者に向けて同社の技術力と実績をアピールしていた。TAKE OVER Integrated Surveyingは、空間情報の取得から統合的なデータ分析までを一貫して提供することを強みとしている。
インフラ測量で実績を重ねるドローン×AIの統合技術
同社はこれまで、橋りょうや公共建築物、オフショア施設などを対象としたドローン測量で多くの実績を積み上げてきた。高速道路や鉄道、トンネルといった社会インフラの測量にも対応しており、広域かつ複雑な構造物を高精度に把握できる点が評価されている。ドローンで収集したデータはAIによって解析され、損傷箇所や劣化の兆候を精密に抽出することが可能だ。こうした解析結果をもとに、デジタルツインを構築し、点検や維持管理の高度化につなげているという。
橋りょう測量の例では、リアルタイムキネマティック(RTK)を備えたドローンによる衛星測位で、地形や構造物全体を高密度な点群データとして取得する。さらに、地上からミリメートル単位の精度を持つレーザースキャナで計測したデータを統合・補完することで、劣化状況を詳細に把握できるソリューションを構築している。ドローンと地上計測を組み合わせることで、効率性と精度を両立させている点が特徴だ。
日本市場を見据えた歴史的建造物・橋りょう分野での連携
TAKE OVER Integrated Surveyingはこれまで、イギリスやドバイといった海外市場で事業を展開してきた。次のステップとして日本を選んだ理由について、CEOのFranz Lami氏は「日本はエンジニアリング分野で非常に高度な技術を持っており、連携できる可能性が大きいと考えています」と語る。イタリアと日本は、大小さまざまな橋りょうが国内に数多く存在する点で共通しており、点検やメンテナンスに必要なデータ提供の分野で協力できる余地があるという。
また、イタリアでは歴史的建造物を対象に、文化財に損傷を与えることなく正確なデータを収集する技術も構築してきた。同様に歴史的建造物が多い日本においても、そのノウハウを生かせる可能性があると見ている。さらに、水深測量や地域計測、モバイルマッピングなど、多様な計測技術を提供できる点も強みだ。
イタリアは大阪・関西万博のイタリアパビリオンにおいても、ビジネスセミナーを通じてドローン技術を積極的に発信している。ビジネスの規模感や技術に対する考え方に共通点が多いと感じる場面もあり、今後、日本企業との連携や共同プロジェクトが進展していく可能性もありそうだ。ドローン測量とデータ活用を軸に、TAKE OVER Integrated Surveyingが日本でどのような展開を見せるのか、今後の動向が注目される。
