2025年7月23日から25日まで、東京ビッグサイトで開催された「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025（インフラ検査・維持管理・更新展）」にて、NTTドコモビジネスは、最新の業務用ドローン「Skydio X10 G2」および自動離着陸・充電装置「Skydio dock for X10」を初公開した。
Skydio X10 G2の主な特徴――通信強化と取り扱い性を向上
Skydio X10 G2は、米Skydio社製のドローン「Skydio X10」の次世代モデル（Generation 2）で、今回が日本国内で初めての公開となる。機体サイズ（790mm×650mm）や飛行時間（約40分）といった基本性能は前モデルとほぼ同等ながら、設計面での改良が施されている。
プロペラの強度を上げたことで、耐久性が向上。また、デュアルSIMを搭載することで、通信の安定性が向上し、現場での操作性と信頼性が一段と高まった。これにより、遠隔地や電波干渉が起こりやすい環境でも、ドローンの活用が現実的となる。
自動化を支える「Skydio dock」も同時展示
あわせて展示されたSkydio dock for X10は、ドローンの自動離着陸と充電を行う専用ポート。ポートを設置し、Skydio X10 G2と連携することで、現地に人員を派遣することなく、定期的な自動点検・監視を実現する。
展示ブースでは、同社が実施した実証実験の映像も紹介された。Skydio X10およびSkydio dockを組み合わせ、愛知県の長良川河口堰において、完全無人で点検・監視を行う様子が映し出された。
東京・大手町から300km離れた現場を遠隔監視
特筆すべきは、長良川河口堰（愛知県）の監視を、約300km離れた東京都千代田区・大手町の拠点から遠隔操作で実施した点だ。ドローンはあらかじめ設定されたルートに従い、自動で飛行・点検を行った。東京湾のコンテナターミナルにおいても、同様の完全無人監視が成功している。
これらの実証は、NTTドコモの強固な通信インフラとSkydio製ドローンを組み合わせた、次世代の点検・監視ソリューションの有効性を証明するものといえる。
災害対応にも期待される無人監視システム
NTTドコモビジネスでは、プラントや橋梁といったインフラの点検を中心に、遠隔操作による無人化・省人化を推進している。同社の担当者は、「こうした無人による監視システムは、災害時などにも迅速な状況把握に役立つはずです」と語り、今後はインフラ点検のみならず、防災・減災分野での活用にも期待を寄せている。
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