茨城県坂東市に本社を構えるROBOTIX JAPANは、2025年6月18日から21日まで千葉県の幕張メッセで開催された「国際建設・測量展(CSPI-EXPO 2025)」に出展し、同社が開発した教育用ドローン「ULTRA-e」や簡易測量用ドローン「Inspecter MINI」、太陽光発電パネル清掃用ロボット「PIBOT」などを展示した。

プログラミング教育向けドローン「ULTRA-e」

「ULTRA-e」は重量96g、手のひらサイズの教育向けのプログラミング学習用ドローンで、約6分間の飛行が可能。スマートフォンに専用アプリをインストールして操作できるだけでなく、プログラミング学習用にPython(パイソン)やScratch(スクラッチ)を用いた制御プログラムの作成・実行も体験できる。

写真:手のひらに載せた「ULTRA-e」
ROBOTIX JAPANが独自に開発した教育用ドローン「ULTRA-e」。現在は開発中であり、ボディの形状などをブラッシュアップしていくという。

 機体や専用アプリは、ROBOTIX JAPANが独自に設計・開発した。3Dプリンターを活用することでコストを削減しながらも、教育分野で普及しているDJI社製「TELLO」とほぼ同等の性能を持つとされている。価格は約4万5000円を予定しており、今年中に茨城県内の高校へ納入する計画だ。

 同社は2021年の創業以来、農業用や設備点検用ドローンの製造・販売を主な事業としてきたが、地元の高校から「授業で使える教育用ドローンが欲しい」という要望を受けたことをきっかけにULTRA-eを開発した。代表取締役の佐々木氏は「ULTRA-eを通じてドローンに触れた若い人が、引き続きドローンを活用してくれることを期待している」と語った。

小型の簡易測量用ドローン「Inspecter MINI」

写真:展示された「Inspecter MINI」
簡易測量用ドローン「Inspecter MINI」。

 会場では、同社が開発した簡易測量用ドローンInspecter MINIが初めて公の場で展示された。機体重量は約1.7㎏、飛行時間は約20分で高精度なGPSを搭載している。これに自動ジオタグ機能を組み合わせ、撮影画像に正確な位置情報を付与できる。

写真:「Inspecter MINI」のジンバルカメラ

 また写真測量のほか、搭載しているカメラは植生指数(NDVI)を可視化することができ、農作物の生育状況や病害虫の発生を把握するなど、農業分野での利用にも対応している。販売価格は60万円前後を予定している。

太陽光発電パネル清掃ロボット「PIBOT」

 さらに、改良を遂げた太陽光発電パネル清掃用ロボットPIBOTも展示された。PIBOTは太陽光パネル上を自走し、内蔵タンクの水(容量7.5L)を使って洗浄を行うロボットだ。パネル表面を水で濡らし、ブラシで洗浄し、最後にモップで水分を拭き取ることで仕上げる。1回の給水で約80平方メートルのパネルを清掃できる。

写真:太陽光発電パネルの上の「PIBOT」
太陽光発電パネル清掃用ロボット「PIBOT」。バッテリーは一般的に流通しているマキタのリチウムイオンバッテリーを採用している。
写真:「PIBOT」のノズルとブラシ部分
清掃用の水の噴射ノズルとブラシ。

 運用モードは自動運用と手動運用を切り替え可能で、最大20度の傾斜面にも対応している。会場では、特に海外からの来場者の注目を集めていた。

 ROBOTIX JAPANは、教育用ドローンを通じた人材育成を目指すと同時に、農業や建設現場の課題を解決する製品を次々と投入している。CSPI-EXPO 2025で披露した各種ドローンやロボットは、同社の技術力と社会課題解決への意欲を示すものと言える。今後の製品展開や教育分野との連携に注目したい。

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