SkyLink Japanは、「第4回ドローンサミット」(9月24〜25日、ポートメッセなごや)に出展し、トルコ製消防用ドローン「Cesur-Ⅲ」を披露した。消防現場支援に加え、農業分野向けの最新型「XAG P60」も展示し、産業ドローンの可能性を示した。
建物火災への空中消火を実現、消防士の新たなアシスタントに
「Cesur-Ⅲ」は、農業用ドローンなどを手がけるトルコのメーカーBaibars(バイバーズ)社が開発した消防専用ドローン。最大離陸重量は115kg、機体寸法は縦3023mm×横2733mmで、機体下部に消防ホースの筒先を装着する構造となっている。ホースを地上の給水源と接続したまま、高度約100mまで上昇し、外部から建物火災などへ放水して消火活動を行う。飛行時間は約15分で、日本国外ではすでに累計4000時間を超える運用実績を持つという。
8月には、国内初となる消防関係者向けの飛行デモンストレーションを神戸市で実施した。トルコと日本では消防ホースの直径など規格が異なるが、調整により国内仕様への対応が可能とされている。想定される運用形態は、高層ビル火災などで上空からドローンが放水を行い、同時に地上では消防士が火元に向けて消火活動を行うというもの。
SkyLink Japanの担当者は、「現場で消火に当たる消防士の強力なアシスタントとして、ドローンの活用を広げていきたい」と話しており、今後は全国の消防本部への導入提案を進める方針だ。
コンパクト化とメンテナンス性を強化、注目集まる農薬散布機
同社ブースでは、中国の農業ドローンメーカーであるXAGの最新型ドローン「P60」も展示された。機体寸法は縦2517mm×横2575mm、最大離陸重量は67.5kg(液剤装置装着時)。モーターアームを折りたたむことで機体サイズを約20%縮小できるコンパクト設計となっており、輸送や保管の利便性が高められている。
また、機体上部の駆動部と下部の散布装置が完全に分離可能な構造を採用しており、洗浄や整備などのメンテナンス性を大幅に向上しているのも特長だ。散布装置は、液剤用(容量30リットル)と粒剤用(容量45リットル)の2タイプから選択できる。
現地では多くの農業関係者や自治体関係者がブースを訪れ、国内展開への期待を寄せていた。
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