Heron Technology(シンガポール)は、2024年6月5日から7日に幕張メッセで開催された「第9回 Japan Drone 2024」にアマゾン ウェブ サービス(AWS)シンガポールとともに参加し、AWS上に展開したドローン運用・管理ソリューション「AirBridge」を出展した。これは、ドローンなど複数のUTM(無人航空機)の運用を管理し、効率的かつ安全に飛行させるためのプラットフォームだ。

写真:ディスプレイに表示されたAirBridge
AirBridgeでシンガポールエリアの状況を表示した様子

 AirBridgeは、管理する地域内で飛行するすべてのドローン操作を完全に可視化し、監視・承認できる。機体の追跡には内蔵GPSやBluetoothトラッカー、4Gトラッカーなどを利用する。地域内での飛行禁止区域の設定も可能だ。たとえば、シンガポールの港や空港など特定のエリアは自動的に飛行禁止区域となっているため、UTMは飛行ルートから除外できる。また、天候情報を表示し、悪天候の場合には避けるルートの提案も可能だ。

 シンガポールでは、UTMの目視外飛行が可能となっているが、人口密度の高いエリアを飛行する場合はパラシュートの装備が必要となる。AirBridgeは、携帯電話の動体統計からリアルタイムの人口密度を割り出し、安全な飛行ルートを設定することもできる。UTMの自動運航にも対応しており、計画したルートが承認されれば、そのルート情報を直接機体に送信して自動操縦で飛行が可能。また、機体に装備されたカメラをコントロールして、ライブ映像を見ることもできる。

 AirBridgeのシステムはAWS上に展開されている。管理するすべてのドローンからAWS IoT Coreを通じて情報を秒単位で受信し、各種機能を実現する処理がなされる。日本を含むシンガポール以外のAWSリージョンでも利用可能となる見込みだ。

写真:Current Cloud Architecture
AirBridgeのアーキテクチャの一部

 収益モデルは、一定回数のフライトに応じた料金モデルや、ライセンス販売モデルなど顧客のニーズに応じて設定する。Heron Technologyの創業者でCEOのライアン・リー(Ryan Lee)氏は、「シンガポールでは、政府がUTM運航全体を管理するため、政府にライセンスを販売する予定です。インドネシアでは異なる収益モデルを模索しています。高速道路の利用料のように徴収して、政府と収益を分配するモデルも考えられます」と話した。

 日本市場への参入について、Heron TechnologyのCPO/CTOであるセバスチャン・アルデコ(Sebastian Aldeco)氏は「日本はロボットや機械など、ハードウェア分野が強い。一方で私たちシンガポール企業はソフトウェア領域に強みを持っています。私たちは日本の高品質なロボティクスやUTMに対し、規制に対応した制御が可能なソフトウェアを提供できます。すばらしい協力関係を築けるはずです」と話した。

 Heron Technologyは、AirBridgeのターゲット市場として、当初はシンガポールとインドネシア、次に日本、さらに欧州への展開を考えている。リー氏は、いくつかの日本企業との協業の可能性を探っているとし、今後の展開について次のようにコメントした。

「現在、私たちはシステムインテグレーターへのライセンス供与やドローンサービス会社と提携するなどして日本市場への参入を模索しています。日本政府が規制を整備するために、次の2年間でさまざまな実証を展開するでしょう。市場が立ち上がるのはこれからですので、日本のパートナーと協力し、運用レベルで規制を遵守する技術を確立してオペレーターを支援したいと考えています」

#Japan Drone 2024 記事