2026年7月24日、アトラックラボは、車輪と脚を融合したフィールドロボット「AT-FOX」を開発したと発表した。
四節リンク機構による伸縮脚と脚先に配置した車輪を組み合わせた独自の移動機構を採用。平坦路での高速・高効率な車輪走行と、不整地での脚を使った高い走破性能を備えている。さらに、自社開発のAI自律制御システム「AT-SYNAPSE」とNVIDIA Isaac Simによるデジタルツイン環境を活用し、強化学習による姿勢制御やアクティブサスペンション制御の高度化を進めている。
人手不足やインフラ老朽化、災害対応の高度化を背景に、フィールドロボットへの期待が急速に高まっている。しかし、従来の車輪型ロボットは段差や岩場、ぬかるみなど悪路での走破性に限界があり、脚型ロボットは構造が複雑で消費電力が大きく、移動効率が課題となっていた。
主な特長
- 四節リンク機構、車輪×脚のハイブリッド移動
四節リンク機構を採用した1自由度の伸縮脚を搭載。1つのダイレクトドライブアクチュエータで脚を伸縮させるシンプルな構造で、各脚先に独立した車輪モーターを備えている。平坦地では車輪移動を行い、不整地では脚を活用することで、高い接地性と走破性能を発揮する。 - 高精度なモーション
バックドライバビリティに優れたダイレクトドライブアクチュエータにより、衝撃吸収性能と滑らかな姿勢制御を両立している。ロール・ピッチ姿勢制御、車高調整、段差踏破、ジャンプ、その場トロット、自己姿勢バランス制御など多彩な動作が可能。 - ROS 2ベースの制御アーキテクチャ
リアルタイム制御には、ESP32-S3を搭載した独自制御基板「AT_ZMOAB_ROSボード」を採用。上位制御(Raspberry Pi 5またはNVIDIA Jetson Orin Nano)とROS 2ベースのアーキテクチャにより、拡張性とリアルタイム性能を実現している。 - 強化学習による姿勢制御・アクティブサスペンション制御
同社のAI自律制御システム「AT-SYNAPSE」と連携し、強化学習(Reinforcement Learning)による姿勢制御およびアクティブサスペンション制御の研究開発を進めている。NVIDIA Isaac Simによるデジタルツイン環境で膨大なシミュレーションを実施し、段差や傾斜、凹凸路面などさまざまな環境における最適な脚制御や姿勢制御を学習する。その成果を実機へ展開することで、多様な環境へ適応するフィールドロボットの実現を目指す。
主な活用分野として、災害対応・被災地調査、建設現場の巡回・点検、インフラ点検、農林業、研究開発プラットフォームなどを想定している。
今後、AT-SYNAPSEとの連携により、画像認識、音声対話、自律走行、遠隔操作などの機能を拡張し、次世代フィールドロボットとして普及を目指す方針だ。
