2026年7月9日、コスモ石油は、製油所のデジタルプラント化および保全の高度化に向けた取り組みとして、東北エンタープライズ協力のもと、四足歩行ロボットを活用した自律型設備点検の概念実証(PoC)を開始したと発表した。
2026年5月下旬に同社堺製油所において、ロボットによる自律走行や設備データ取得などの現場検証を実施しており、その知見をもとに将来的な適用可能性について評価と課題の検証を行う。
製油所には稼働開始から50年以上が経過した装置も多く存在しており、設備の高経年化に伴う故障を未然に防ぐことが喫緊の課題となっている。
四足歩行ロボットを使った設備点検は、従来の人による業務と比較して効率化や安全性の向上が期待される。また、人では認識が困難な初期異常の検知や、継続的・網羅的な設備状態の把握が可能になる。
【現場検証の概要】
| 使用機器 | 四足歩行ロボット「Spot」1台(米国Boston Dynamics社製) |
| 実施場所 | 堺製油所 排水処理設備エリア |
| 主な実証内容 | ・現場環境での設備点検の実現性確認 ・各種センサーを用いた設備の状態確認の精度検証 ・ロボット活用に向けた課題整理 |
| 検証期間 | 2026年5月24~28日 |
コスモエネルギーグループは、長期ビジョン「Vision 2035」において石油事業の安定供給・徹底した競争力強化を掲げている。その一環として、全3製油所において図面や設備の検査記録、運転データ、保全計画などを一元管理するデータ統合基盤を導入した。
蓄積したデータをAIで分析する予知保全や、保全戦略を統括管理・高度化するシステムの運用、仮想空間にプラントを再現するデジタルツインの構築、遠隔地からの製油所保全支援などにも取り組んでいる。
同社は今回のPoCで得た知見を踏まえ、設備点検業務におけるロボット活用の検討を段階的に進めていく。自律走行の安定性やデータ取得精度の検証、取得データの解析・活用による異常検知の高度化、現場における運用性など、総合的な適用可能性を評価したうえで、将来的な導入を目指すとしている。
