2026年6月19日、スカイマティクスは、鹿島建設およびナレルグループと資本業務提携契約を締結したことを発表した。あわせてシリーズCラウンドにおいて、フェムトパートナーズを引受先とする資金調達を実施した。

 今回の提携と資金調達により、建設業で発生する多様な空間データを統合・蓄積・活用し、現場から経営層までをつなぐ「空間データ基盤」の社会実装を加速する。生産性向上だけでなく、迅速な意思決定や原価管理を通じて利益創出につなげる「利益体質DX」の実現を推進する。

スカイマティクス、鹿島建設・ナレルグループと資本業務提携契約を締結、フェムトパートナーズを引受先とするシリーズCラウンド資金調達を実施/各社ロゴ

 建設業界では、i-ConstructionやBIM/CIMをはじめとしたデジタル化と、それに伴う各種DXシステムの導入が進んでいる。一方、現場で必要な写真や動画、点群データ、オルソ画像、360°カメラ、衛星画像、図面などの多様な空間データは分散管理されており、情報の探索や整理に時間を要していた。また、人口減少や技能者不足が進行する中、限られた人員で高い利益を持続的に生み出す経営体質への転換が求められている。さらに、経済安全保障やデータ主権の観点から、重要データを国内で安全に管理・活用できる基盤の重要性も高まっている。

 同社が提供する空間データ統合プラットフォーム「くみき」は、ドローンや衛星、地上センサー、360°カメラ、スマートフォンなどから取得する多様な空間データを統合し、現場・本社・経営層が同じ情報を基に意思決定できる環境を構築する。導入企業ではデータ生成にかかる費用や時間、現場確認や報告業務に要する時間を最大95%削減するなどの導入効果が報告されている。

各社との取り組み内容

【鹿島建設】

 今回の資本業務提携による中長期的な協業関係の構築を通じて、建設業界における空間データ活用の高度化を推進する。鹿島建設では2023年より「くみき」を導入しており、利用現場数は当初の8現場から89現場へ拡大している(2026年5月末時点)。土量計測や現場管理業務における効率化実績をベースに、空間データを活用した現場変革を推進していく。また、衛星データ等の地理空間情報を活用したGEOINT(※1)の活用についても検討を進め、建設現場への先端技術の社会実装を加速させる。

※GEOINT (Geospatial Intelligence):衛星画像、航空写真、地形データなどの地理空間情報を分析し、状況把握や意思決定支援につなげる技術・概念。

【ナレルグループ】

 建設DX人材の育成と現場実装を一体で推進する新たなモデル構築を進めていく。ナレルグループ傘下のワールドコーポレーションは、「くみきトレ」「くみき」により建設現場におけるDX人材の育成や3Dモデルの活用を図ってきた。今後、空間データ活用スキルを持つ人材の育成と現場配属を加速し、「人材×テクノロジー」により建設現場の利益向上を実現する実装型建設DXモデルの展開を進める。

 今回調達した資金は、主に以下の用途に活用する。

  • 空間データ基盤としての「くみき」の開発強化
  • 国産・国内で安全に運用可能な空間データ基盤としての信頼性・セキュリティ強化
  • 優秀な人材の採用および組織強化
  • 国内外における「くみき」の導入促進と事業展開加速

 今後「くみき」を通じて、建設業界にとどまらず、インフラ管理、防災など社会インフラを支える産業全体における空間データを活用した経営基盤の構築を支援していく方針だ。

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