2026年6月10日、Oceanic Constellationsは、2026年6月4日に実施した国産水上無人機(USV)の自動揚収機能の実証に成功したことを発表した。人間の操作や揚収用ランチャーへのマーカー等の協調設備を一切用いず、USV搭載の画像認識機能を含む自律航行機能のみによってランチャーへの自動格納を実現した。
この実証では、洋上を自律航行するUSVが、揚収用ランチャーに対して自機カメラなど複数センサー情報を統合した空間認識により位置・姿勢を把握し、経路計画から進入・格納までの一連の動作を完全自律で遂行した。ランチャー側にはAR/QRマーカー、音響ビーコン、磁気ガイド等の協調的な誘導設備を設置せず、USV側の搭載センサーと認識アルゴリズム、自律航行制御のみで揚収を成立させた点が大きな特徴となる。
実証は、京浜ドックの造船・艤装現場およびその知見・設備の提供のもと、現実的な海象条件下で実施した。
同社が構想するUSVコンステレーションは、将来的に多数機のUSVを長期間にわたり海洋上で運用し続けることを前提としている。その運用において機体の回収や整備、再配備を都度有人で実施することは現実的ではなく、自動揚収は必須機能となる。今回、ランチャー側に協調設備を設けず、USV側の空間認識と自律航行のみで揚収を成立させたことは、ランチャーの設置自由度を高め、母船・洋上プラットフォーム・沿岸拠点など多様な揚収拠点への展開可能性を拓くものである。
実証では、洋上の動揺環境下における精緻な接近制御技術、ランチャーを認識・空間把握する認識技術、これらを統合する自律航行制御技術といった、USVコンステレーションのサービス化に欠かせない複数の要素技術を一度に検証・獲得した。
今回の実証は、Oceanic Constellationsと日本郵船グループの京浜ドックによるUSV量産を見据えた連携実証の一環として実施したものとなる。両社は京浜ドックの造船・修繕・艤装等の現場知見と設備を活用し、将来的に多数機を安定的に製造・整備・運用していくための量産実証を進めてきた。自動揚収実証は、その運用フェーズの中核機能である「無人での回収」を技術的に裏付けるものであり、製造から運用までを一気通貫で担う体制整備に向けた一歩となる。
Oceanic Constellationsは、実証で得た自動揚収技術を基盤に、より厳しい海象条件下での実証、複数機同時揚収、母船搭載型ランチャーへの展開等を順次進めていく。あわせて、海洋監視、洋上インフラ保全、海洋データ取得、海洋安全保障、洋上宇宙インフラ支援等のユースケースにおいて、エンドユーザーや政府機関との運用実証を加速させ、USVコンステレーション「海の衛星群」の社会実装を目指す方針だ。
