テラ・ラボは、2026年6月4日、タイ王国国防省傘下の研究機関である国防技術研究局(以下、DTI)と、「Disaster Management and Security Cooperation using Unmanned Aerial Systems(無人航空システムを活用した災害対応および安全保障分野における協力)」に関する協定(MOU)を締結した。
この協定は、安全保障ビジネスイノベーション協会(以下、SBIJ)の立会いのもと、Japan Drone 2026において締結された。これにより、テラ・ラボとDTIは、防災・安全保障分野における無人航空システム(UAS)の活用促進に向け、共同検討および実証に関する協力を進めていく。
【主な協定内容】
- 実証候補地および運用空域に関する調整
- 実運用を想定したユースケースに基づく運用体制の構築に向けた協議
- 関係政府機関および運用機関との連携のもと、実証活動の実施機会の模索
協定に基づく具体的な取り組みとして、タイ王国ラチャブリー県のポーターラーム飛行場において、TerraDolphin VTOLを活用した実証試験を計画している。同飛行場は、高度2,000mまでの空域を活用した飛行試験環境を確保しており、長距離飛行性能、広域観測能力および運用体制の検証を実施する予定だ。
テラ・ラボとDTIは、同実証を通じて防災・安全保障分野における実運用を見据えた技術検証を進めるとともに、ASEAN地域における展開可能性についても共同で検討していく。
近年、災害対応や重要インフラ監視、国境監視、広域状況把握などの分野において、無人航空システム(UAS)の活用が世界的に増加している。
テラ・ラボは、航空機およびドローンによる広域観測技術と共通状況図(COP)を活用した情報共有技術の開発を推進しており、近年は防災分野に加え、防衛・安全保障分野におけるデュアルユース技術の活用にも取り組んでいる。同社が開発する垂直離着陸型無人航空機「TerraDolphin VTOL」は、長距離飛行性能と広域観測能力を搭載し、災害対応から安全保障用途まで幅広い活用が期待されている。
DTIは、タイ王国国防省傘下の研究開発機関として、防衛技術および安全保障技術の研究開発を担っており、この協定を通じて両者は共同検討から海外実証へと連携を発展させていく。
Japan Drone 2026で行われた締結式には、テラ・ラボの松浦代表取締役のほか、DTI局長のチャラット・ウムサムリット大将・博士が署名者として出席。立会人としてDTI会長のナポーン・サンソムウォン大将、SBIJ代表理事の磯部晃一氏が名を連ねた。続いて、テラ・ラボ、安全保障ビジネスイノベーション協会、DTIによるプレゼンテーションを実施し、トークセッションでは日本の防衛産業が抱える課題や今後の期待について議論を行うとともに、DTIがスタートアップ企業との連携を推進する背景について意見を交換した。
テラ・ラボとDTIは今後、TerraDolphin VTOLを活用した実証候補地の検討、運用体制の構築、関係政府機関との連携に向けた協議を進めるとしている。また、日本とタイの技術協力を通じて、ASEAN地域における防災・安全保障分野の課題解決に貢献するとともに、無人航空システムを活用した新たな航空ソリューションの社会実装を目指す方針だ。
