2026年6月3日、Terra Drone(以下、テラドローン)は、大規模イベント警備における無人機の運用を想定し、有人機・無人機が多数同時に飛行する高密度な空域環境において、一連の運航を一元的に管理する運航安全管理システムの実証実験を実施したと発表した。
この実証は、2025年4月に採択された「経済安全保障重要技術育成プログラム(以下、K Program)」の研究開発プロジェクトの一環として実施したものとなる。
近年、大規模イベントや都市部の警備・監視業務では、有人機と無人機を組み合わせた高度な運航管理の必要性が高まっている。特に、多数の航空機が同一空域内で同時に運用される高密度環境下では、飛行計画の事前調整、リアルタイムでの状況把握、突発的な任務への柔軟な対応など、安全で効率的な運航管理を実現する仕組みが求められている。
また、大規模イベント時は警備対象エリアが広域に及ぶことに加え、複数の運航主体が関与するケースも想定されるため、有人機・無人機の運航情報を一元的に管理し、関係者間で適切に共有する運用モデルの重要性が高まっている。
テラドローンは宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)と連携し、K Programの支援を受けて、ドローンを活用した大規模イベント警備における航空機の運航安全管理システムの研究開発に取り組んでいる。
実証実験の概要
今回の実証では、過去に実施した有人機・無人機による警備の実証実験に向けて開発した「無人機の飛行計画や位置情報を管理する機能」「割り当てられた任務を、無人機を飛行させるオペレーターに連携する機能」などを活用した。
大規模イベント警備時の飛行制限区域(有人機)および飛行禁止区域(無人機)の運用に関する知見により、有人機50機、無人機80機を同一空域で運用する高密度環境を再現。こうした多数機同時運用下において、運航調整所で有人機・無人機の運航情報を一元管理・調整することで、システムのロバスト性を検証した。
この実証実験でテラドローンは、システムの無人機運航領域を担い、大規模な無人機運用を支援した。
【実施内容】
- 無人機80機分の経路計画を作成してシステムへ連携
- 最大84機分の無人機のシミュレーション位置情報をリアルタイムに共有(実機による飛行データではなく、シミュレーションデータ)
- システム配下で運用される無人機の飛行シナリオを設計・提供
- 複数機体の情報を集約し一括送信する機能を実装、大量データ通信時の効率化を実現
これにより、多数の無人機が同時運用される高密度環境下でも安定したデータ連携および運航安全管理を実現し、システム全体のロバスト性向上に寄与した。
今後、実証実験で得た知見をもとに、災害対応など実践的なユースケースへの適用を進めるとともに、省庁・自治体と連携した防災訓練などで機能改善と検証に取り組み、社会実装に向けた機能強化および運用モデルの高度化を進める方針だ。
