2026年3月10日、ダイヤサービスは、「日本ドローン運航安全白書 2026」を無償公開した。この白書は、国家資格の取得や法令遵守だけでは見えにくい「運航体制の安全」を整理した実務資料であり、自治体や建設会社、インフラ管理事業者、ドローン運航事業者を対象に、運航設計の基準を示している。
航空法改正による国家資格制度の創設により、ドローン運航のルール整備は大きく進展した。一方現場では、Go/No-Goの判断基準が文書化されていない、補助者の役割が口頭確認のみで終わっている、飛行後の振り返りが習慣化されていないといった構造的問題があり、法令違反ではないものの安全とも言い切れない状態であった。
こうした課題を踏まえ、白書では「運航をどう設計するか」という問いについて、評価軸と実装モデルで示している。
白書の構成
全32ページ・8章+付録3点
- 第1章:はじめに
- 第2章:日本のドローン運航を取り巻く現状
- 第3章:ドローン運航で起きやすい失敗の5パターン
- 第4章:安全な運航を支える5つの評価軸(各軸に5段階の状態記述)
- 第5章:SMS・CRM・デブリーフィングの現場実装
- 第6章:実装モデル3種:小規模事業者 / 中規模事業者 / 発注法人・自治体
- 第7章:20問のセルフチェック(自社の運航体制の現在地を確認)
- 付録A:運航安全セルフチェックシート
- 付録B:プリブリーフィング確認項目
- 付録C:デブリーフィング記録例
ダイヤサービスは、米国(FAA)、欧州(EASA)、オーストラリア(CASA)、タイ(CAAT)のドローン安全管理動向を調査したところ、日本の制度整備の速度は欧米と同等かそれ以上であるが、SMS(安全管理システム)やCRM(運航チーム資源管理)では遅れが生じていることがわかった。
米国では2025年のドローン産業界主要カンファレンスでFAAが「SMSはもはや有人航空だけのものではない」と明言。EASAは緊急対応計画(ERP)の設計指針に応急手当提供の要件を明示するなど、安全管理の考え方が急速に現場へ浸透している。白書の第2章では国際動向と比較して日本に必要な実装の方向性を示している。
この白書は運航事業者だけでなく、ドローン業務を外部委託する建設会社、インフラ管理事業者、自治体も活用できる設計となっている。第6章と第8章では、「委託先の安全管理をどう評価するか」という視点から、確認項目と評価方法を整理している。
ダイヤサービスは今後も改訂を重ね、制度や市場、現場の変化を反映していく予定だ。
▼日本ドローン運航安全白書(ダイヤサービス)
https://daiyaservice.com/white-paper/
