2026年2月9日、エアロネクストは、東京都が実施する2025年度「グローバルサウスのGX(グリーントランスフォーメーション)促進プロジェクト」(※1)において、「ドローン配送及びその他ドローン活用によるモンゴル/ベトナムにおける脱炭素化への貢献」事業が採択されたことを発表した。

 この事業では、エアロネクストがモンゴルで進めてきたドローンと次世代輸配送管理システムを組み合わせた「新スマート物流SkyHubのモンゴルモデル」を、物流の脱炭素化という観点で医療分野から日用品やフードなどの分野に広げながら、グローバルサウスに横展開する可能性を検証する。事業期間は2年間で2028年3月まで実施する。

※1 東京の企業が持つ優れたGX関連の技術やビジネスモデルを、グローバルサウスを中心に海外に展開することで、グローバルサウスの脱炭素化への貢献や都内企業の成長とともに、東京のさらなる脱炭素化も後押しすることを目的とした事業。東京都環境公社が実施するもので、グローバルサウス諸国の内、東京都・東京都環境公社選定国や脱炭素ニーズ、経済規模、外交友好国等の観点から有望と考えられる国を検討し、特に有望な12か国を対象とする。支援期間は3年間。

写真:スタンバイするドローン
病院に届ける血液製剤を搭載した物流ドローン(モンゴル国立輸血センター)
写真:物流ドローン専用箱を確認するリモートパイロット
離陸前に遠隔運航の準備をするMSDDのリモートパイロット(モンゴル国立輸血センター)
写真:血液製剤と物流ドローン専用箱
血液製剤と物流ドローン専用箱(モンゴル国立輸血センター)

 エアロネクストは2022年にモンゴルの代表的なインフラ企業であるNewcom Groupと連携を開始し、2023年より交通渋滞や大気汚染が深刻化するモンゴル・ウランバートル市において、医療物流を起点としたドローン配送の実証および社会実装を進めてきた。

 エアロネクストの戦略子会社であるNEXT DELIVERYが運航全般をトレーニングしたNewcom Group子会社のドローン事業専門会社MSDD(Mongolia Smart Drone Delivery)が、2024年に商用ドローン飛行ライセンスを取得し、国立輸血センターから市内複数の病院への輸血用血液製剤配送の商用運航を開始した。

 2024年8月から9月、2025年5月から11月にかけて合計472回のフライトを行い、国立輸血センターから14の病院へ516人分の輸血用血液を配送し、緊急配送により5人の人命救助に貢献した。

 今回の採択により、ドローンを活用した物流モデルをもとに車両輸送の削減による温室効果ガスの排出削減効果を定量的に検証し、モンゴルおよびベトナムでの事業拡大につなげる。

 エアロネクストは日本国内でも新スマート物流SkyHubの社会実装を進めており、累計4,200回を超える運航実績を有している。また、制度設計への対応やレベル3.5飛行の実施など、ドローン物流の社会実装に取り組んできた。

 機体構造設計技術4D GRAVITYを搭載した機体やモジュール等のハードウェア、同時遠隔自動操縦を可能とする運航システム、ドローンスタンドなどの地上インフラを一体で提供する物流エコシステムの確立を目指しており、その技術や知見をグローバルサウスでのGX推進に活用する計画だ。

 モンゴルでの取り組みは、ドローン配送事業に必要な実務教育を提供する物流特化型プログラム「SkyHub Training Center」の先駆けであり、MSDDの運航チームに対してNEXT DELIVERYの運航チームがトレーニングを実施し、自走運用レベルを実現した。今回の事業でも現地の人材育成に取り組むとしている。

【採択事業の概要】

事業名ドローン配送及びその他ドローン活用によるモンゴル/ベトナムにおける脱炭素化への貢献
事業期間2026年1月~2028年3月
主な実施内容(予定)・モンゴル・ベトナムにおけるドローン配送(医療・日用品等)の運航・検証と機体開発
・他用途を含むドローン活用に向けた調査・ビジネス開発
・市場・競合・法規制調査、現地パートナー探索
・現地許認可取得、配送ルート開拓、運航体制構築