2025年12月11日、FullDepth(以下、フルデプス)は、海洋DXの特にGX(グリーン・トランスフォーメーション)分野における実用化に向けた取り組みとして、自社開発の船底清掃ロボットによる実機清掃演習を公開すると発表した。船底付着物を短時間で除去することで、船舶の燃費を大幅に改善し、海運業界の脱炭素化に貢献する。

写真:船舶「さんふらわあ ぴりか」と船底清掃ロボット

 今回の実機演習では、船底清掃ロボットの展示と、商船三井さんふらわあの協力のもと船底清掃ロボットを船舶「さんふらわあ ぴりか」に装着し、稼働する様子を披露する。

 フルデプスは、清掃ロボットのスペックを実証し、今後の実用化を目指す。また、清掃効果を科学的に検証するため、フィンランドの海事ソリューション企業であるNAPA社と連携し、燃費削減効果の検証を開始する予定だ。清掃前後の船舶の運航データを科学的に分析することで、清掃による確実な燃費改善、CO2排出削減効果を可視化する。将来的には、清掃サービスと燃費モニタリングサービスをパッケージ化し、「船底清掃DX」の新たな標準構築を目指す。

写真:ロボットが船底を清掃する様子
船底を清掃するロボット
写真:水中の船底を走行するロボット
水中の船底を走行するロボット

 船底清掃ロボットは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業の成果として開発したもので、1時間で500m²の洗浄が可能。短時間で効率的に船底を清掃する能力を持つ。フルデプスはロボットの高度化や清掃の自動化に取り組むとともに、助成事業を通じて燃費モニタリングサービスとの連携機能の強化を進め、海運業界の脱炭素化と生産性向上に貢献していく構えだ。