2026年10月7日、エアロセンスは、ザンビア共和国・コンゴ民主共和国における固定翼VTOLドローンを用いた鉱山遠隔監視サービス実証事業が、経済産業省の「令和7年度(2025年度)補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」に採択されたと発表した。

 この事業は、ザンビア共和国およびコンゴ民主共和国のカッパーベルト地域において、銅・コバルトといった重要鉱物のサプライチェーン強靱化と、固定翼VTOLドローンを活用した遠隔監視ソリューションのサービス事業化検証を目的とするものである。

 世界有数の重要鉱物産地であるカッパーベルト地域では、広大な鉱山エリアでの違法小規模採掘や不法侵入、輸送時の治安リスクに加え、鉱山運営の透明性向上と適正かつ安定的なサプライチェーンの構築、テーリングダムの決壊や化学物質漏洩による水質汚染が課題となっている。

 こうした状況に対し、同社は自社開発の国産固定翼VTOLドローンを活用し、鉱山エリアにおける遠隔監視ソリューションの有効性と事業化の可能性を検証する。

事業概要

 2026年11月を目途にザンビア国内の鉱山エリア等において固定翼VTOLドローンによる飛行実証を行う。高解像度カメラや赤外線カメラを活用し、違法採掘や不法侵入の早期把握に資する映像データを取得するとともに、LTEなどを経由して首都ルサカの政府関係機関等へのリアルタイム映像配信を実施する。

 さらに、測量用センサーやLiDAR、マルチスペクトルカメラなどを用いて地形・環境データを取得することで、将来的な環境モニタリングや資源探査などへの応用可能性についても検証する。取得したデータは、現地政府機関や鉱山会社、関連民間企業に提示し、ニーズや受容価格帯などを確認することで遠隔監視・データ提供サービスとしての事業化可能性を検証する。

固定翼ドローンが地形・環境データを取得するイメージ
事業イメージ

 また、高温や砂塵、脆弱な通信環境や固定設備の盗難・破壊などの治安リスクに対応するため、任意の場所への移動・展開可能な自動発着ポートの要件定義を行い、本格的な開発・事業化に向けた検討を進める。将来的には鉱山監視にとどまらず、環境モニタリング、資源探査、長距離物流網やインフラの監視などへの展開も視野に入れる。

 2026年12月にはAfDB主催「Africa Transport Forum 2026 」で成果発表を行い、現地政府機関や民間企業等とのネットワーク構築および事業化に向けた活動を進めていく。

 事業を通じて国産ドローン技術を活用した広域遠隔監視ソリューションの有効性を検証し、ザンビア共和国やコンゴ民主共和国をはじめとするアフリカ地域での事業展開を目指す。重要鉱物の安定的かつ透明性の高いサプライチェーン構築に加え、現地の過酷な環境下で得た運用知見を日本国内の重要インフラ監視や災害対応などの無人化技術に活用する方針だ。