2026年6月23日、コーンズテクノロジーは、代理店を務めるTeledyne FLIR(テレダインフリアー)が開発した、SXGA解像度とSWaP最適化を両立した8µm非冷却長波長赤外線(LWIR)カメラモジュール「Boson SX8」の国内展開を発表した。
同製品は、8µmのピクセルピッチとSXGA解像度を組み合わせた、ITARフリー・NDAA準拠の非冷却長波長赤外線(LWIR)カメラモジュールの量産製品。コーンズテクノロジーは、日本国内における販売と量産採用に向けた技術サポートも提供する。
Boson SX8は、SXGA(1280×1024)の高解像度センサーを搭載。一般的な非冷却VGA(640×512)赤外線カメラモジュールと比較して4倍の画素数を備え、遠距離や小型の対象を識別する。これにより、対象の輪郭や形状を確認しやすくなるほか、画像処理や物体認識に利用できる画像情報も増加する。広い監視範囲を確保しながら細部を確認したい用途や、遠方の対象を検知・認識する監視システムなどに適している。
一般的に、センサーの画素数を増やすとセンサーや光学系が大型化するトレードオフが存在する。Boson SX8は、標準的な12µmピクセルよりも微細な8µmピクセルを採用し、画素を高密度に配置している。同じ画素数で比較した場合、1画素あたりの間隔が小さいほどセンサーの受光部全体を小さくできるため、従来の量産型VGAモジュールと同等クラスのコンパクトなパッケージに収めている。高解像度化と小型化を両立することで、搭載スペースや重量、消費電力に制約のある無人航空機や携帯型機器への組み込みにも対応する。
同製品は、機器への組み込みおよび量産採用を前提に設計されており、以下の特徴を備えている。
- SXGA(1280×1024)解像度
VGA比4倍の画素数により、遠距離や小型の対象を詳細に捉える。 - 8µmピクセルピッチ
画素を高密度に配置することで高解像度センサーを小型化。 - SWaPの最適化
高解像度の熱画像性能と、サイズ・重量・消費電力の最適化を両立。 - ITARフリー・NDAA準拠・量産対応
ITAR規制対象外でNDAAに準拠し、米国内で量産。開発段階から本格的な量産まで移行しやすく、監視・防衛分野における調達要件やサプライチェーンへの要求にも対応する。
Teledyne FLIRのインテリジェント組み込みソフトウェア「Prism」との統合にも対応し、画像処理やAI機能を組み込んだシステム開発を支援する。
監視・防衛分野では、対象の存在を遠方から検知するだけでなく、その輪郭や形状、周辺状況を確認できる画像情報が求められる。一方、無人航空機やハンドヘルド機器では、搭載できるカメラのサイズ、重量、消費電力に制約がある。Boson SX8は、SXGAの高解像度とSWaPの最適化により、こうした要求への対応を支援する。
【主な用途】
- 無人航空機システム(UAS)、対UASシステム
- 境界、重要施設、沿岸などの監視
- 情報・監視・偵察(ISR)システム
- シーカーおよび照準・視覚補助システム
- ハンドヘルド型の監視・観測機器
従来、高い遠距離性能が必要な用途では、大型で重量や消費電力も大きい冷却型中波長赤外線(MWIR)システムを使用する場合があった。Boson SX8は、非冷却LWIR方式の小型性や運用性を維持しながら高精細な熱画像を提供する。
Boson SX8は、用途や必要な画角に応じて複数の固定焦点レンズを用意している。関連モデルの「Boson SX8-CZ 15–75」は、Boson SX8に焦点距離15~75mmの5倍連続ズームレンズを一体化しており、広い範囲から対象を探索し、ズームによって詳細を確認する遠距離監視に対応する。
カメラモジュールとレンズは、単一の光学システムとして設計・校正されている。ズーム操作中もフォーカスを維持するフォーカススルーズーム、温度勾配補償、工場での光軸調整により、光学性能を最適化している。カメラとズームレンズを個別に選定・調整する負担を軽減するとともに、単一メーカーによる保証によって組み込みリスクの低減と市場投入までの期間短縮に貢献する。
コーンズテクノロジーは、これまで培ったTeledyne FLIR社製OEM赤外線カメラモジュールの製品知識と組み込み実績をもとに、製品・レンズの選定、仕様確認、評価、機器への組み込みから量産移行まで、国内の開発者・技術者を支援する。
