2026年5月13日、ブルーイノベーションは、送電線ドローン点検ソリューション「BEPライン」において、小型モジュール化した新モデル「BEPラインmini」を開発したと発表した。2026年6月に幕張メッセで開催される「Japan Drone 2026」(2026年6月3日~5日)で実機を初公開する予定だ。
BEPラインは、すでに送電線点検で実運用されているが、現場からは山間部への持ち運びが容易な小型機での運用が求められていた。BEPライン miniは、従来比で約73%の軽量化を実現し、小型ドローンでの運用を可能とした。山間部への展開が可能となることで、適用可能範囲は従来の約1~2割から約4割へと拡大する。
BEPラインは、ドローンと独自の送電線追従制御モジュールにより、送電線までの離隔距離をリアルタイムで計測し、一定距離を維持しながら自動で追従飛行を行う。従来は熟練操縦者に依存していた近接点検を安全かつ安定的に実施し、高解像度カメラによる近接撮影により微細な異常も把握できる。これにより点検の標準化と再現性の確保、点検品質の向上を同時に実現する。
このソリューションは、東京電力ホールディングスとテプコシステムズと共同開発したもので、約3年間の実証を経て実運用へと移行した。その後も改良を重ね、現在は複数の電力会社に導入されている。
「BEPライン mini」主な特長
- 約73%の軽量化
従来の750gから200g未満へと軽量化。可搬性を高めることで、山間部などこれまで対応が困難だった現場への展開を可能にする。 - 小型ドローンへの対応
DJI Matrice 350などの中型・大型機に加え、小型・高機能モデル(DJI Matrice 30等)での運用が可能となり、現場条件に応じた柔軟な点検運用を実現する。 - 適用現場の拡大
従来は限定的だった適用範囲を拡張し、より多くの現場で導入が可能となる。 - 高い投資対効果(ROI)と安全性
従来は3人体制であった運用人員を2人体制(将来的には1人)へと最適化し、1径間あたりの点検時間を約半減させる(3時間を1.5時間へ)。また、昇塔や危険地帯への進入が不要となり、安全な点検を実現する。
BEPラインは、モジュール貸与型のサブスクリプション形式で提供し、初期投資を抑えた導入が可能。今後、機体セットの提供や、取得データを活用したデータ解析サービス(報告書自動作成等)へと展開し、継続的な収益基盤の構築と顧客価値の最大化を図る方針だ。
ブルーイノベーションは、電力会社におけるドローン点検の標準化を推進し、導入の拡大を目指す。さらに、蓄積した点検データを活用したAI解析により、点検から予兆保全までを一体化したインフラDXプラットフォームへと発展させ、電力インフラの維持管理コストの構造的な削減に貢献するとしている。
