2026年4月15日、ネクストウェアは、地下構造物点検の高度化を目的に、2025年9月と2026年1月に公表した自動・自律型ドローン点検技術に関する実証検証プロジェクトにおいて、所期の目的に沿った良好な成果を得たと発表した。

 この成果は、地下環境における「撮影品質基準」「空間理解」から「飛行計画」「自動・自律飛行制御」までの一連の技術要素を統合した点検基盤の確立に向けた重要な進展であるとしている。

 実証検証では、以下の技術領域で有効性と実現可能性を確認した。

  • 空間理解、デジタル・アセット化の高度化
     LiDAR点群データをもとに、地下構造物の空間構造、壁面、設備配置、障害物等を高精度に認識・分類し、これらを独自の「多層的」な解析・構造化プロセスにより統合することで、ドローン運用に適した空間モデルを生成する技術を実証検証した。その結果、ドローン運航に必要な航路設計とリスク評価の基盤となる「デジタル・アセット」 の有効性を確認した。
  • 飛行計画および撮影条件の自動生成
     生成された空間モデルをもとに、障害物を考慮した飛行経路の生成、壁面等の対象物に対する最適な撮影条件(解像度・距離・角度・シャッター速度等)の設定を行い、点検品質の均一化や再現性向上に資する飛行計画技術の有効性を確認した。
  • 自動・自律飛行制御の実現性確認
     動的障害物に対する回避動作、通信不良環境での飛行継続やリターン・トゥ・ホーム(RTH)等のフェイルセーフ機能について、実証環境での動作確認と有効性検証を実施。これにより安全性と安定性を確保した自律飛行の実現に向けた技術的見通しを得た。
  • シミュレーション環境との連携検証
     構築した空間モデルをシミュレーション環境へ反映し、風環境等の条件を付与した飛行検証を行うことで、実環境に近い形での事前検証が可能であることを確認した。
  • ソフトウェア化に向けた基盤確立
     上記の一連の技術を統合し、「3D Map Converter(空間モデル生成:仮称)」「Flight Planner(飛行および撮影計画生成:仮称)」の主要なソフトウェア基盤が整備され、今後の製品化に向けた見通しを得た。また、これらのソフトウェアは生成AI(Anthropic)を活用して開発しており、開発効率の向上と高度なアルゴリズム設計の両立を図っている。


 ネクストウェアは、この成果により空間理解技術、飛行制御技術等を統合し、再現性の高い点検運用を実現するための一体技術基盤の確立に向けた重要なステップを完了し、従来課題となっていたドローン操縦者技能への依存や撮影品質のばらつきに対する実現可能性を見極めることができたとしている。

「実環境で取得したデータに基づき、空間理解から飛行制御までを統合的に実現」実証検証結果をもとにAIで解析・再構成した概念イメージ
実環境で取得したデータに基づき、空間理解から飛行制御までを統合的に実現:実証検証結果をもとにAIで解析・再構成した概念イメージ
写真:「点群データをもとに独自の解析・構造化プロセスにより構造物内部空間をデジタル・アセット化」設置物の属性に応じて色分けする様子をAIで加工した概念イメージ
点群データをもとに独自の解析・構造化プロセスにより構造物内部空間をデジタル・アセット化:設置物の属性に応じて色分けする様子をAIで加工した概念イメージ

 今後も複数の異なる地下構造物を対象とした検証を継続し、環境差異に対する再現性や精度の評価、事業経済性効果などの検討を進める。また、飛行計画および各種パラメーターの自動設定、ソフトウェアの操作性(UX)向上、現場導入を前提とした製品化を推進し、インフラ点検分野における実運用と事業化を目指す。加えて、AIや異常予兆検知技術、データ分散化セキュリティ技術等との連携を図ることで、より高度な点検ソリューションへの展開を進める考えだ。

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